久留米工業大学の地域課題解決型AI教育プログラム
久留米工業大学が独自に展開する「地域課題解決型AI教育プログラム(通称PBL)」は、地域の課題にAIを活用して取り組む新しい教育スタイルです。福岡県久留米市に位置するこの大学は、令和7年度の成果発表会を8月8日に開催し、学生たちの努力の成果を地域企業や自治体をはじめとする170名以上の参加者に披露しました。
学生と地域企業のコラボレーション
PBLでは、学生たちが実際の地域課題に対してAI技術を駆使し、解決策を提案しています。プログラムでは多様な分野、例えば医療、農業、デジタルトランスフォーメーション(DX)、行政などにおいて、16の異なる課題に取り組みました。学生たちが自らのアイデアを発表する様子は、見学者たちにとっても刺激的な体験であり、地域と大学の新たな結びつきを感じさせるものでした。
プログラムの構造とプロセス
このプログラムでは、大学内のAI応用研究所からの技術相談を基に、各課題が設定されます。その後、学科の異なる選抜学生がチームを組み、ファシリテーターとして企業の方々や大学院生、指導教員が支援します。このような協力体制により、学生たちはより実践的で有意義な研究を行うことができます。
令和2年度には6つのテーマからスタートしたPBLは、毎年その質と規模を拡大させてきました。特に、PBLの成果として全国的な賞を受賞していることからも、プログラムの質の高さが伺えます。今年の発表会でも、参加者からは大きな期待が寄せられました。
成果と未来への展望
PBLの初年度から継続して取り組んできた「自動収穫ロボットの開発プロジェクト」は、令和7年度には農林水産省の「スマート農業技術の開発・供給」事業に採択されるなど、実際のビジネスシーンでもその成果が評価されています。こうした成果は、学生たちの学びを現実の世界と繋げる重要なステップとなります。
久留米工業大学について
福岡県久留米市に位置する久留米工業大学は、1976年に設立された工学系の単科大学です。小規模な大学ながら、全学生にAI教育を必修とし、AIを活用したプロジェクトベースの学習を通じて多様な技術と知識を育んでいます。
この地域課題解決型AI教育プログラムは、単に知識を学ぶだけでなく、地域社会とのつながりを大切にした実践的な教育であることが特徴です。これからも久留米工業大学は、学生たちが地域の未来を支える力を育む場であり続けるでしょう。