管理職が抱える心理的負担と今後の組織の在り方に迫る
近年、多くの社員が管理職の役割を避けたいと考えています。その背景には、より多くの責任を担わなければならないというプレッシャーや、日常業務の負担があります。株式会社シェイクが実施した意識調査によると、特に管理職が負担を感じている業務には「部下のメンタルケア」や「キャリア面談」が挙げられています。
管理職が期待される役割
調査によると、管理職に求められる役割は以下のように多岐にわたります。
- - 部下のキャリア・将来を見据えて、必要な指導・育成をする(63.7%)
- - 必要な業務指示・進捗状況の管理(50.2%)
- - 部下のモチベーションを維持し、職場の雰囲気づくり(48.5%)
これらの期待は、業務の効率化や組織の健全な運営に直結しますが、その一方で多大なプレッシャーをもたらす要因ともなります。
メンタルケアとキャリア面談の負担
ある調査結果によると、24.7%の管理職が最も手放したい業務として「部下のメンタルケアや相談への対応」を挙げています。また、同様に「キャリア面談」にも負担を感じているようです。この背景には、メンタル面やキャリア支援の重要性は理解しつつも、それを実践するためのノウハウが不足していること、さらには心理的負担が大きいことが影響しています。
シェアド・リーダーシップ型組織への期待
管理職の意見を見ると、これからの組織には「シェアド・リーダーシップ型」が求められるという声が高まっています。従来の1人のリーダーに依存した形ではなく、メンバー全員がリーダーシップを発揮できる体制への移行が重要であると、多くの管理職が感じているのです。
実際、調査では7割以上が「とても魅力的だと思う(21.4%)」または「やや魅力的だと思う(54.0%)」と回答し、新たな組織形態への期待が示されています。一方で、参加者からは「統制や管理がしづらい」や「責任の所在が不明確である」といった懸念も寄せらています。
リーダーシップスタイルの変容
また、リーダーシップスタイルについての質問に対する回答を見てみると、従来のトップダウン型から、メンバーの自主性や裁量を大切にする方向への変化が起きています。現在のリーダーシップスタイルは、多様な意見を受け入れ、チーム全体で意思決定を行う傾向が強まってきています。これにより、部下がリーダーシップを発揮する機会が増え、自分の意見を持つことの重要性が強調されるようになっています。
課題解決へ向けた取り組み
このような状況を受け、「部下の指導・育成」に意欲を持つ管理職は多く、実際に「成功体験を積ませること」や「権限委譲を行うこと」などを意識しているといいます。これにより若手社員が、自信を持ってリーダーシップを発揮できる環境を整えることが重要です。管理職は、メンバーが挑戦しやすい環境づくりを心掛けることが、より良い組織の形成につながると考えられます。
まとめ
今回の調査を通じて、管理職が抱える期待や実態、業務上の課題が明らかになりました。特に心理的な負担が大きいとされるメンタルケアやキャリア面談に対する対応が必要です。このような課題を軽減するためには、シェアド・リーダーシップ型の組織形成が一つの解決策となるかもしれません。メンバー全員がリーダーシップを発揮できる環境の構築が、組織全体の成長を促進する鍵となるでしょう。