不思議な山の物語
2025-10-15 10:59:24

炭鉱の町の記憶を呼び覚ます『窓の向こうの、ある不思議な山』の魅力とは

炭鉱の町の記憶を呼び覚ます『窓の向こうの、ある不思議な山』の魅力とは



成瀬昭彦の新しい小説『窓の向こうの、ある不思議な山』が、2025年10月に発売される。この作品は、実在する福岡県田川市を舞台にしており、歴史的な炭鉱文化に根ざした物語が展開される。現代と過去が交錯するタイムスリップの設定が、読者の心を掴む仕掛けとなっている。

あらすじの紹介


物語は、大阪・昭和山のふもとで暮らす少女、佳代子が不意に昭和10年の福岡県・伊田町にタイムスリップするところから始まる。彼女は見知らぬ時代に放り込まれ、そこでは炭鉱に命をかけた人々の生活が息づいている。佳代子は、炭鉱町で「佳子ちゃん」と呼ばれる少女と瓜二つであることに気付き、その理由を探る旅を始める。

物語の舞台と背景


物語には、石炭記念公園や旧三井田川鉱業所の煙突、さらには炭坑節発祥の地といった炭鉱にまつわる史跡がリアルに描かれており、炭鉱文化の魅力が存分に発揮されている。特に、田川市にある石炭・歴史博物館では「女性鉱員」や「炭鉱事故」といった展示が行われており、過去の炭鉱労働の実情を伝えている。これにより、実際の歴史とフィクションが見事に組み合わさり、読者は忘れられた時代の記憶を再発見することができる。

作家の想い


著者の成瀬氏は、炭鉱事故に巻き込まれた人々や、厳しい時代に生き抜いた家族の記憶を今の私たちにも響くように描きたいと考えている。この作品が過去の出来事に耳を傾けるきっかけとなることを願っているという。彼は1970年に大阪で生まれ、高校卒業後に印刷会社に就職したが、幼少期に読んだ『はだしのゲン』や『耳をすませば』の影響を受け、小説の執筆を志したという。

著者のプロフィール


成瀬昭彦は、2015年に初めて作品を完結させた後も、歴史や記憶を次世代に伝えるための執筆・出版活動を継続している。最近の著作には『70年前の傷跡』があり、現在は会社員として働きながらも執筆に力を入れている。趣味は旅行で、歴史的な場所を訪れることに情熱を注いでいることから、この作品にも彼の経験が色濃く反映されている。

書籍の詳細情報


『窓の向こうの、ある不思議な山』は、2025年10月15日にパレードより発売される。ISBNは978-4-86522-467-2で、四六判・並製・110ページのボリュームが特徴だ。価格は1,100円(税込)で、アマゾンなどで入手可能となっている。

この作品を通じて、炭鉱町の歴史的な背景に触れることができるだけでなく、物語としての面白さも享受できる。ぜひ手に取って、過去の記憶を再確認してみてはいかがだろうか。


画像1

画像2

関連リンク

サードペディア百科事典: 田川市 炭鉱 昭和山

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。