オフィス家具市場分析：2025年7月度の動向と行動パターン

オフィスバスターズが発表した2025年7月度の「中古オフィス家具指数」から、オフィス市場の最新の動向が浮き彫りになりました。主要エリアの空室率は3.16％となり、前月に比べて0.21ポイントの低下を示しています。一方で、賃料は平均30円の上昇を記録しました。これにより、都市部でのオフィス移転や増床に関する選択肢がますます狭まっていることが明らかとなり、企業にとってのオフィス戦略に大きな影響を与えています。

オフィス市況の全体像

7月のオフィス市況は、主要5区の空室率が前月比で低下したものの、賃料は上昇するという状況が続いています。需給の逼迫感が一層強まり、企業各社にとっては移転の選択肢が限られてきています。また、有効求人倍率は1.22倍（前月比0.02ポイント低下）、失業率は安定して2.5％を保っています。このように雇用市場が堅調であっても、オフィス市場では空室率の低下と賃料の上昇が同時に進行しており、企業は新たなオフィス戦略の策定が求められています。

商材別の販売動向

詳細な商材別の動向を見てみると、いくつかの興味深いデータが見えてきます。特に、チェアやデスクの販売価格も顕著な変化を見せています。例えば、低価格帯のチェアの販売数は増加していますが、その販売価格は258円の減少を記録しています。また、フリーアドレスデスクは販売数が増えており、これに伴って価格は802円減少しました。需要が高い書庫は安定した人気を示しており、両開きやラテラルの書庫が幅広い支持を集めています。

ロッカーに関しては、パーソナルロッカーの需要が増えているものの、販売価格は1,769円減少しています。多人数用のロッカーも人気で、企業のニーズに合わせた商材が注目されています。

テーブル類では、スタックテーブルや会議用テーブルの販売が好調ですが、価格はやや下落しています。全体として、オフィス市場では新しい働き方に対応する家具が求められ、多様なニーズに応じた商品の変更が見られます。

引き合いの増加

7月は、オフィス市況が局所的に安定している一方で、新たな引き合いは増加する傾向にあります。特に、8月以降は法人だけでなく個人からのOAチェアに対する問い合わせも増え、活発な動きが期待されます。例年の繁忙期である9月・10月を迎えるにあたり、オフィス各社は動き出しが例年よりも早くなっている印象です。これにより、今後の市場の活発化が見込まれる一方、家具の調達が企業にとって重要な課題になるでしょう。