高校生の就職活動を支える！ジョブドラフトFes2025の現状と課題レポート

2025年7月に全国13会場で行われた「ジョブドラフトFes2025」。このイベントは高校生が企業の社員と直接対話をし、職場体験を通じて就職先への理解を深めることを目的としています。本記事では、イベントに参加した高校生に対して実施したアンケートをもとに、就職活動の現状や高校生たちが抱える不安について考察し、今後のサポートの重要性を探ります。

高校生の就活の現状

調査によると、高校生の約42.4%が「やりたいことが見つかっていない」と答え、就職活動における最大の不安とされています。また、自分に向いている仕事が分からないと感じる高校生も36.7%に上り、希望通りの進路に進めるか不安に思う割合は33.5%に達しています。このように、高校生は将来の方向性や職業選択に対して強い不安を抱えていることが分かります。

就職活動は一般的に7月から9月までの短期間で行われ、応募する企業を約2か月で決定しなければなりません。しかし、都道府県ごとの制限により、多くの場合は1社のみの応募となるため、高校生は限られた選択肢の中で早急に決断を迫られています。

その一方で、2025年3月卒業予定の高校新卒求人倍率は4.10倍に達し、企業の採用競争が激化しています。これに伴い、高校生に実際に会い、コミュニケーションを取る機会の重要性がさらに高まっています。

ジョブドラフトFes2025の開催内容

「ジョブドラフトFes2025」は、7月2日から18日にかけて全国13の会場で開催され、552社が出展し、参加した高校生は3,595名に達しました。参加者は、企業の社員から直接話を聞いたり、実際に職場体験を通じてその企業の魅力を感じることができる貴重な機会となっています。

参加した高校生の多くは、志望する業界への理解を深め、企業側も積極的に学生に自社の魅力を伝える場として活用されました。また、今年から高校生は、イベントで関心を持った企業に対してインターンシップやオープンカンパニーに参加することができるようになり、企業のブースには多くの学生が訪れていました。

アンケート結果から見える高校生の職業意識

参加した高校生が就職活動で最も重視するポイントは「給与」で64.5%、次いで「休日日数」が62.9%、続いて「人間関係の良さ」が54.0%と、働きやすさを重視する傾向が顕著に表れています。自己実現や成長性を求める人は17.9%と少数派で、安定した職場環境が強く求められていることが分かります。

また、高校生たちは「職場見学」に興味があり、28.3%が「2社」を訪れたいと思っていることが明らかになりました。多くの高校生が複数の企業を比較しながらの自身の意思決定を希望しています。職場見学の機会を提供することは、実際の職場環境を学び、進路に関する判断を下す手助けをする上で重要だと言えるでしょう。

就職活動における高校生の悩み

就職活動における情報源については、「求人票」が75.5%で主流であり、次に「会社のホームページ」（25.1%）が続きます。これにより、高校生が情報を多様な手段から収集し、幅広い視野を持った上で進路選択を行おうとしていることがわかります。

また、42.6%が「1社ずつ受けたい」と回答していることから、就活における心理的な負担が多いことが知れます。「複数社受けたい」と考える最高で38.6%が、友人や学校からのサポートがある場合に限られるという点からもの存在が見えてきます。高校生が安心して活動できる環境を整えることが今後ますます求められています。

参加者の満足度と今後の展望

「ジョブドラフトFes2025」への参加後、90%以上の高校生が「満足した」と回答し、新たな企業への興味を示した数も54.0%に上りました。しかし、イベントへの関心を持つ一部の学生はおなじような興味を示さず、明確な変化を感じていない学生も一定数存在しました。これは、面接や職場体験に参加するだけでなく、今後も定期的なフォローアップや多様な職業体験の機会提供が重要であることを示しています。

結論

高校生の就職活動は、多くの不安や課題を抱えていることが明らかになりました。ジョブドラフトFes2025のような合同企業説明会は非常に有意義な機会ですが、高校生が自分自身のやりたいことや向いている職業を見つけるための支援が一層必要です。早期からの自己理解や業界理解に向けたサポート体制を充実させることが、高校生が自信を持って進路選択を行うための第一歩となるでしょう。