福岡・柳川の老舗菓子店と就労支援事業所がコラボ
最近、福岡県柳川市では興味深いコラボレーションが実現しました。地元の就労支援事業所「HACO」と老舗菓子店「ケーキのカトウ」が手を組み、フードロス対策をテーマにしたスイーツ、『ローストアスパラカントゥッチ』を開発しました。この取り組みは、地域の食材を活用し、持続可能な社会づくりに寄与することを目的としています。
地元の食材を活かした新商品
HACOが展開する地域ブランド「ハコノコバコ」は、2025年6月から販売開始される『ローストアスパラカントゥッチ』を紹介します。この商品は、出荷時に廃棄されがちなアスパラガスの端材を活かしたものです。「HACO」が運営する就労継続支援A型事業所が製造しており、フードロス削減だけでなく、雇用の創出にも寄与しています。
特に注目すべきは、アスパラガスを用いたもう一つの商品、野菜や果物から作るUpCycleTea『HACOCHA』です。中でも「001 Asparagus」は人気が高く、評価も受けており、2025年2月には「ふくおか6次化商品セレクション」で福岡県議会議長賞を獲得しました。
ケーキのカトウの魅力
「ケーキのカトウ」は1913年創業の老舗菓子店で、素材に対するこだわりを持ちながら地産地消を実践しています。カトウの名を冠した「カントゥッチ」は、イタリアのビスコッティの一つで、バターを使用せず、カリッとした食感が特徴です。筑後平野の小麦を使い、地元の人々にも愛されています。
今回のコラボにあたり、ケーキのカトウの加藤幸平氏は、アスパラガスの甘みと香ばしさに注目し、スパイスとしてシナモンを組み合わせることで、上品な味わいのカントゥッチを実現しました。
軸となるアップサイクルの取り組み
「ケーキのカトウ」は、先代から継承してきたアップサイクルへのこだわりを大切にしています。規格外の食材を使った商品作りを通じ、地域農業と福祉をつなぎ合わせた新たなスタイルを生み出しています。特に、フードロスを意識したこの取り組みは、持続可能な社会の実現にもつながる重要な試みです。
実際、「HACO」との出会いは2024年12月の柳川ブランド認定式であり、アップサイクルという共通の意義が両者を結びつけ、商品開発へと至りました。幾度も試作を重ねた末に誕生した『ローストアスパラカントゥッチ』は、初回の販売では初日で販売予定数量を完売し、急遽追加生産されるほどの大人気となりました。
未来への展望
福岡・柳川でのこの取り組みは、単なるスイーツの提供にとどまらず、フードロス削減や雇用の拡充といった社会的な意義も持っています。両社は今後も、地域イベントや店頭での販売を通じ、多くの人々にこの商品を届けていく予定です。『ローストアスパラカントゥッチ』を楽しむ際には、その背景にあるストーリーや取り組みを感じてもらえればと思います。
商品概要
- - 商品名: ローストアスパラカントゥッチ
- - 販売開始: 2025年6月
- - 販売場所:
- ケーキのカトウ(福岡県柳川市片原町12)
- HACO SHOP(福岡県柳川市城隅町22-16)
- よかもん館(福岡県柳川市京町13-1)
- 九州佐賀国際空港搭乗ゲート内売店(7月上旬頃より)
今後、オンライン販売も計画されており、多方面からのアクセスが期待されています。地域の素材を活かしたこの新たなスイーツで、皆様も幸せを感じてみてはいかがでしょうか。