大王製紙が天の川の如く輝くサステナビリティの道
日本を代表する製紙メーカーである大王製紙株式会社は、サステナブルな経営を追求する中、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の開示に初めて挑戦しました。今回、株式会社エスプールブルードットグリーンの協力を得て、その開示の詳細と、同社のサステナビリティに対する取り組みについて、関係者にインタビューを行いました。
サステナビリティの精神はいつから?
大王製紙は、古紙回収事業を起点とし、1951年に創業。当時から続くサステナビリティの精神を根付かせ、持続可能な製品開発に取り組んできました。1957年には山林の購入を契機に育苗造林を始め、1989年にはチリで大規模な植林プロジェクトをスタート。社是「誠意と熱意」が、企業のサステナビリティの原動力です。
「誠意」とは、私欲を離れ正直に物事に取り組む姿勢を指し、実際の事業活動は「世のため人のため」としての貢献を目指しています。このアプローチは、まさに企業のサステナビリティという考え方を体現していると言えるでしょう。
TNFD開示への道のり
TNFD開示は大王製紙にとって必然的なプロセスでしたが、具体的な手法が確立されていないことから当初は戸惑ったといいます。エスプールブルードットグリーンは、データ分析からフィードバックまで、詳細にサポートし、「オーダーメイド」の開示を実現するための提案を提供しました。これにより、企業は自社の独自性をしっかりとアピールすることができました。
自然環境への配慮
サステナビリティに対する真摯な取り組みが求められる中、大王製紙の事業は水供給サービスへの高い依存度があると指摘されました。最初はネガティブに捉えられた依存度についても、エスプールブルードットグリーンの指導のもと、どのような取り組みを進めるべきかという視点を社会的に深める契機となりました。
「オーダーメイドのサポート」がこのプロセスの大きな特徴でした。データの収集は細かくすればするほど良いとされますが、現実には難しい場合が多く、適切な粒度のデータを集めることが求められました。エスプールの丁寧な指示によって、社内負担も少なく、プロジェクトは円滑に進行したといいます。
社内全体の意識向上
TNFD開示後、投資家との面談では「しっかり開示されていますね」という評価が寄せられ、今後の企業価値向上にも寄与することが期待されます。特に、全社的なサステナビリティへの意識向上が見られ、調達部門を中心に前向きな変化が現れています。
製紙業界には「森林を伐採する」という負のイメージが根強いですが、大王製紙はその印象を払拭するべく取り組んできています。単に伐採をするのではなく、植林活動を通じて持続可能な森林の保全に努めていることを、より多くの人々に伝えるために、さらなる努力を重ねていく必要があります。
まとめ
こうした大王製紙の取り組みは、製紙業界を全球的に持続可能なビジネスへと導く先駆けと言えるでしょう。サステナビリティの精神を大切に持ち続けることで、企業は未来をしっかりと見据えることができるのです。今後もエスプールブルードットグリーンとの連携を通じて、自社の特性を生かした情報開示を進め、透明性のある企業を目指す大王製紙。その姿勢が、地域経済や国際社会にどのような影響をもたらすのか、引き続き目が離せません。