ドローンと防災訓練
2025-04-09 11:05:00

福岡市防災訓練にてドローン活用の新たな可能性を実証

福岡市での新しい防災訓練



2025年3月20日、福岡市の玄界島で行われた防災訓練において、株式会社トルビズオンがドローンを用いた通信機器の輸送とそれに伴う通信復旧支援の実証を行いました。この訓練は、2005年に発生した福岡県西方沖地震から20年の節目にあたる日に実施され、過去の教訓を未来に活かすことを目的としています。訓練には陸上自衛隊や警察、消防、通信会社、更には地元住民が参加し、多様な方面から連携した訓練が行われました。

大型搬送ドローン「FlyCart30」



トルビズオンが採用したのは、DJI製の大型物流ドローン「FlyCart30」です。このドローンは最大積載量が40kg、航続距離が16km、最大飛行時間が18分という高い運搬能力を誇ります。訓練では、福岡市本土から玄界島までの約3.8kmの海上をドローンが飛行し、通信機器であるSpaceX社の衛星通信システム「Starlink」を無事に輸送しました。現場では住民代表が端末を受け取った後、わずか数分で島内と外部とのインターネット接続が確立されるという実効性が確認されました。

ドローンと衛星通信の融合



今回の訓練では、自然災害によって通信が途絶した場合を想定し、迅速な通信復旧の重要性が強調されました。従来、通信インフラが故障する場合、復旧に時間がかかることが一般的ですが、ドローンを用いた衛星通信機器の輸送により、その時間を大幅に短縮し、救命活動における即応性が向上することが期待されています。使用された機材は多様で、Wi-Fi通信パッケージや小型Starlink端末を用いて、合計で5つのセットが導入されました。

より実用的な災害時の物流



「FlyCart30」を用いた今回は、日本国内では珍しい技術と運用が組み合わさったケースとして注目されています。特に、「レベル3.5」に分類される目視外飛行が安全に行われたことで、将来的な新たな運用スタイルの確立につながる可能性があります。こうした新しい試みは、実際の災害における物資の短時間搬送を可能にし、特に離島など孤立した地域における防災能力の向上に寄与するでしょう。

今後の展望と課題解決



今回の訓練は、行政と民間企業が連携して行ったもので、技術を活用した防災の新たなモデルが提示されました。ドローン物流と衛星インターネット、通信キャリアの協力により、孤立した地域でも迅速に「運ぶ」「繋ぐ」「伝える」が可能になり、災害時の復旧に向けた準備が整います。具体的には、通信途絶の短縮や初動対応の効率化が実証され、住民への安心感も生まれました。これにより、災害時の生存率向上に向けた具体的な成果が見えてきており、今後の課題解決に向けて重要なステップとなるでしょう。

トルビズオンの責任と展望



トルビズオンの代表取締役、増本 衛氏は、「災害時にこそドローンが真価を発揮します」と述べています。物流ドローンと事前に整備された「空の道」を活用することで、災害時の通信復旧速度が劇的に向上することに期待を寄せています。トルビズオンは、今後も地域のレジリエンス向上に貢献し続けるとともに、ドローン事業の支援を行い、より安全で信頼性の高い物流の確立を目指していくことでしょう。


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