ゲーム業界の人材像は二刀流へ!求められる新たな才能とは
近年、ゲーム業界の進化が著しく、創造力だけでなく育成力も求められる時代が到来しています。株式会社Hiraku agentの設置した調査によると、ゲーム業界で働く一般社員と経営・マネジメント層では、理想の人材像にギャップが見られることが分かりました。
調査結果の概要
Hiraku agentは、2025年4月9日から11日の間に、ゲーム業界で働く一般社員と経営層を対象に「求められる人材像」に関する調査を実施。調査には1022名が参加し、業界内の意見を集約しました。一般社員が求める「理想の働き方」とは何か、また経営層が理想とする人材像にはどのような違いがあるのか、深堀りしていきます。
ゲーム業界を選んだ理由
調査を通じ、一般社員に多く見受けられた意見として「子どもの頃からゲームが好きだったから」が37.7%で最も多く、次いで「クリエイティブな仕事がしたかったから」が35.9%でした。また、自らのアイデアを具体化したいという思いが34.5%で続きました。
一方、経営層はユーザーからの評価や反応を重視しており、新たな技術や表現への挑戦、そしてチームとの一体感も重要視していることが分かりました。このように、現場社員は安心して成長できる環境を求めるのに対し、経営層は顧客満足度を重んじる傾向があり、双方の期待にギャップがあることが明らかになったのです。
創出と発展のバランス
一般社員は、仕事の内容について「新しいものを生み出す」こと(0→1)が多いと答えており、その割合は43.8%を占めました。経営層も「0→1」を重視する意見が多く、全体的に創造的な活動が認められています。そして、実際には6割以上の一般社員がこの創出系業務に関与しています。
この点からも、業界全体が「新たな価値創造」を重要視していることが伺えます。しかし、現場での業務には既存のものを発展させる「1→100」の要素も多く、両者の仕事を担うハイブリッド型人材の需要が高いことも実感されます。
人材の求められる条件
経営層が「即戦力」と考える条件では、「技術スキル」が36.6%、次いで「ゲーム開発や運用の経験」が30.7%という結果が得られました。また、「ユーザー目線での提案」が26.6%で要求されており、技術的なスキルだけでなく、ユーザーへの理解が求められています。このような人材は単なる作業者ではなく、実際に体験を設計できる能力が期待されています。
さらに、経営層が若手社員に求める行動は「新しい視点を持ち込む」ことや「積極的に提案する」ことで、若手にも高度な期待がかかっています。この背景には、若手社員が即戦力として業界に貢献する期待があることを示しています。
未来の人材像はグローバル視点を持つ
調査の最後では、将来のゲーム業界で必要とされる人材像として、「グローバルな視点や対応能力」や、「異分野知識や経験」が上位に挙げられました。このことから、単一の専門領域に閉じず、多面的な視野を持つことが求められていることが分かります。
ゲーム業界は今後、ますます複雑化した競争に直面します。単なる技術者ではなく、異なるフィールドの知見を活かし、マーケティングと開発の両方を理解するスキルが次世代の人材には求められるでしょう。このような人材が育成されることで、業界全体の競争力が向上し、さらなる発展が期待できます。
結論
ゲーム業界は、「創る力」と「育てる力」が求められる二刀流時代に突入しています。人材育成や採用の戦略も、今まで以上に広範囲に目を向けて構築すべきです。創造的な価値を生み出し、それを維持・発展させられる人材が、これからのゲーム業界を牽引すると言えるでしょう。