千葉の高校生と考える医療業界のジェンダーバイアス解消ワークショップ

福岡エリア担当記者がお届けする今回の記事では、ナース専科が協賛した探究学習支援プログラム「探究インターン」の一環として、千葉県・敬愛学園高等学校で開催された医療業界のジェンダーバイアスに関するワークショップの詳細をご紹介します。

1. ワークショップの開催目的

2025年3月11日、千葉市にある敬愛学園高等学校において、医療業界におけるジェンダーバイアスを克服するための探究ワークショップが開かれました。このイベントには、1年生から3年生までの男女18名と教師1名が参加し、医療業界の現状を理解し、将来の職業選択につながるディスカッションが行われました。

このような活動は、若者がジェンダーバイアスについて学び、その問題を理解することを目的としています。参加者たちは、医療業界のジェンダーバイアスがどのように影響するのかを考え、自分たちが将来どのような医療環境を作り出したいのかを議論しました。

2. ジェンダーバイアスの認識と改革

日本の医療業界では、従来男性は「看護士」、女性は「看護婦」と呼ばれてきましたが、2002年の法改正により、この呼び方は「看護師」に統一されました。しかしながら、男性看護師の割合は依然として低く、医療現場でのジェンダーバイアスが様々な形で存在しています。このワークショップでは、そんな現状を理解し、参加者が感じたジェンダーバイアスの具体的な事例について話し合いました。

例えば、「医師や看護師は男性に限られる」という先入観や、業務の際に直面するハラスメントの問題など、非常に重要なテーマが取り上げられました。学生たちは、自らの意見を自由に表現し、これからの医療環境をどのように改善すべきかを真剣に考えることができました。

3. グループディスカッションの内容

ワークショップでは、参加者がグループに分かれて議論を行い、医療業界のジェンダーバイアスについて多角的に考察しました。最初に、医療業界やジェンダーバイアスに関する基礎知識を学び、自分たちが直面している問題についてのアイデアを出し合いました。その中から、例えば「性別に依存したイメージを払拭し、個人としての視点から見るべきだ」といった意見が挙がりました。

次に、医療業界内での具体的な課題についても話し合われ、「男性看護師は診療科の選択肢が限られるのではないか」というテーマに関しても意見交換が行われました。また、参加者は医療現場で受ける偏見や誤解についても率直に意見を聞かせてくれました。

4. プレゼンテーションとフィードバック

最後に、各グループはそれぞれのテーマに対する解決策をまとめて発表しました。学生たちは、難しいテーマであっても自信を持って意見を述べ、聴衆からのフィードバックも受けることができました。この体験は、彼らが今後医療業界で求められる意識や実践力を身につける良い機会となるでしょう。

5. 参加者の反応と今後の展望

ワークショップに参加した学生の95％が、「医療・介護業界におけるジェンダーバイアスに関する理解が深まった」というアンケート結果が示すように、多くの参加者が充実した経験を得ることができました。また、約90％が業界への興味が高まったと述べています。

学生たちは、医療現場の課題を理解した上で、今後のキャリアや社会における役割について考える機会となり、未来の医療業界を支える若者たちが育成されていることを大いに期待できます。