トヨクモクラウドコネクトが新たな一歩を踏み出す
福岡県須恵町とトヨクモクラウドコネクト株式会社(以下、弊社)は、2025年8月からオンライン申請サポートを目的とした「審査AI」の実証実験を始めることとなりました。これは、申請者に対するサポートを強化し、審査業務の効率化を達成することを目指しています。
審査AIの役割とプロセス
審査AIは、一次審査に至る前の資料や情報の不備を確認する「0次審査」を担当します。具体的には、申請内容の初期チェックや、不備を修正するための依頼を自動で行うことで、住民をより迅速にサポートすることが可能になります。人による最終確認を経て審査プロセス全体をスムーズに短縮することを狙いとしています。
この実証実験の目的は、審査AIの有効性と、スピード向上や職員の負荷軽減といった業務的な効果の検証にあります。実施期間は2025年8月22日から2026年3月31日を予定しており、給付金のオンライン申請に関連する審査プロセスが対象です。
具体的なAIの機能
- - 0次審査: AIが申請書や添付情報を初期チェックし、必要な再審査を抽出。これにより、人手での確認を円滑に行えます。
- - 不備修正ラリーの自動化: 不備があった場合、AIが迅速に修正依頼のメールを申請者に自動送付します。これにより、再申請の受理までのプロセスが円滑に進みます。
- - 審査難易度の判定: AIは情報を整理し、人へエスカレーションを行うことで、審査体制を最適化します。
個人情報の取り扱いと安全対策
実証実験では、個人情報の取り扱いに関して厳格な安全措置が講じられます。須恵町と交わした覚書に基づき、データの目的外使用を禁止し、実験後にはデータを完全に削除し、その証明を行います。また、全ての処理は日本国内のセキュアな環境内で完結します。
背景と今後の展望
トヨクモは、給付金や補助金のオンライン申請にかかる業務プロセスのスピード向上を目指し、AIの活用を進めています。須恵町は、住民サービスの改善やその知見の共有に積極的で、本実証実験が得られる知見を他の自治体業務への展開を視野に入れています。
また、実証期間中に審査AIのログや不備修正の成果を分析し、最終的には報告書を公開する予定です。その成果は他の自治体への広がりを見せていくことでしょう。
関係者の期待
サイボウズ株式会社からも本実証実験に対しエンドースメントが寄せられています。サイボウズの玉田執行役員は、AI技術が行政の現場を支え、審査業務の効率化を促進する取り組みを高く評価しています。
また、トヨクモの山本社長は、この実証実験が多くの自治体にとって参考となり、住民サービスの質を向上させることに貢献できると期待を寄せています。
まとめ
トヨクモクラウドコネクトと福岡県須恵町の共同による「審査AI」実証実験は、今後の日本の自治体業務において期待される革新的な取り組みです。住民の皆様が待たされずに手続きが進む環境を実現し、さらに良質なサービスが提供される未来を見据え、私たちはこのプロジェクトの進展を楽しみにしています。