福岡県飯塚市に位置する飯塚高等学校と、同じく福岡県内で67のホームセンターを展開する株式会社グッデイが、「DIYによる教育連携および地域貢献活動に関する協定書」を結びました。この協定は、地域の教育資源とDIYに特化した知識を融合させ、生徒の創造力や問題解決能力を育てることを目的としています。
この協力関係は、探究的な学習プログラムの開発や校内外でのワークショップ開催、地域をフィールドとした教育活動を通じて実現されます。また、安全教育、技術指導、職業観育成にも重点を置くことが予定されています。高等教育の場での実践的な学びが求められる中、飯塚高校とグッデイの協約は、これに応えていく重要な取り組みと言えるでしょう。
本協定の始まりは、飯塚高校からの「自分たちの寮を自らの手で修復したい」という強い要望に遡ります。ホームセンターの強みとして、居住空間や施設の補強、改善に関わるアイテムを数多く取り扱っています。グッデイは、福岡県住宅供給公社との団地リノベーションプロジェクトを進めており、このような取り組みも活用しながら地域課題に真剣に向き合うことができるのです。
2025年6月には、協定に基づく前段階として、学生寮のリノベーションプロジェクトが実施される予定です。生徒たちは自らの手で壁の塗装や床の張替えに挑戦します。この経験を通じて、彼らは単に物理的なスキルを身に付けるだけでなく、地域社会に貢献する意識も育まれることでしょう。
このプロジェクトを通じて得られる知識や経験は、飯塚地区のさらなる活性化に繋がることが期待されています。DIY技術を学ぶことで、学生は共同作業を通じたチームワークや問題解決能力を高めることができ、地域の空き家再生など、実際の課題解決へと繋がる探究学習が展開される可能性があります。
少子高齢化や空き家問題という地域的課題を背景に、高校が主導するこのような連携モデルは全国的にも非常にユニークです。教育現場、自治体、地域住民の皆さんに刺激を与え、持続可能な学び方を提供するものとして期待されているのです。
飯塚高校の常務理事である嶋田吉勝氏は、「地域活性化に寄与し、実践的な学びを広げる教育活動の一環として、柳瀬社長の強い地域への熱意と結びついたことが嬉しい」と述べています。さらに、学生にはDIYという技術によって、自らの思い描く空間を形にする力が与えられ、グッデイとのコラボレーションを通じて新たな可能性が広がることに期待を寄せています。
一方、グッデイの代表取締役社長、柳瀬隆志氏は、「Wikipedia創業以来、家族での良い時間を提供することを目指し、今回の取り組みはその延長線上である」と語っています。また、地域への貢献を重視し、飯塚市に根ざした取り組みを今後も続けていく意向を示しました。
飯塚高校と株式会社グッデイが手を組むことで、地域の問題解決に寄与しつつ、教育面でも新たな可能性を開くことになるでしょう。この独自の連携モデルが、今後の地域社会にどのような影響をもたらすか、非常に楽しみです。