酒の神が宿る地「三輪伝承蔵」
奈良県三輪町には、360年以上の歴史を持つ今西酒造があります。この地は、日本酒の神様である酒の神が祀られている土地だけあって、酒造りに適した環境が整っています。最近、今西酒造は新たに「三輪伝承蔵」を開蔵しました。この蔵は、ただの酒蔵ではなく、地域の歴史や文化を次世代へと受け継ぐための拠り所です。
「三輪を醸す」というテーマのもとに誕生したこの蔵は、すべての日本酒を「菩提酛造り」「吉野杉の木桶仕込み」「奈良県産米使用」といった厳選された方法で醸造します。これにより、地域の風土を反映した日本酒が生まれるのです。
また、新蔵の建築技術にもこだわりが感じられます。外壁には「板倉造り」が取り入れられ、蔵内は「校倉造り」で仕立てられています。全ての建材は地元の吉野杉を使用し、自然と調和した美しい空間が完成しました。訪れた人は、ガラス越しに仕込タンクの様子を見ることができ、しぼりたての日本酒を間近で楽しむことができます。まさに、三輪の自然を感じる酒の聖地と言えるでしょう。
この蔵の誕生には、今西酒造の十四代目・今西将之氏の強い想いが込められています。「三輪の魅力をもう一度取り戻し、この町の力になることができれば」と語る今西氏。その言葉に、蔵の役割の大きさが窺えます。
SHUWANとのコラボレーション酒器
今西酒造の新蔵完成を祝うために、株式会社シュワンの酒器ブランド「SHUWAN」とのコラボレーションモデル「SHUWAN みむろ杉ロゴ刻印モデル」が誕生しました。これは、限定100碗のみの販売となります。
この特別な酒器は、SHUWANの特長である“香りをひらく”開口部の設計が施されています。手になじむそのデザインは、見た目だけでなく機能としても完成度が高く、歴史ある三輪の酒をより楽しむための一碗です。
器の底には、みむろ杉の刻印が施されています。この刻印には「神仏習合」をテーマとしたデザインが用いられており、大神神社や三輪信仰の象徴ともなる「白蛇」「兎」、御神花である「ササユリ」があしらわれています。
この酒器によって、日本酒を飲む際の体験がより特別なものになるでしょう。たったの4,980円(税込)で購入できるこの限定酒器は、2025年8月22日(金)からの発売です。再販の予定はないため、気になる方はぜひ早めにチェックしてください。
終わりに
地域の伝統と新たな試みが融合した「三輪伝承蔵」と、SHUWANの限定酒器は、酒好きだけでなく、静かな美しさや日本の文化を愛する人々にとっても堪らない逸品です。ぜひ、奈良の地に足を運び、その魅力を直接体験してみてはいかがでしょうか。