暗号資産投資の将来を見据えた投資意識の調査結果
暗号資産は、近年ますます注目を集めている投資手段です。株式会社J-CAMが実施した最近の調査によれば、高額な暗号資産を保有する投資家の6割が、10年以上の長期保有について考慮していることがわかりました。今回は、その調査結果を詳しくご紹介します。
調査概要
この調査は、30代から60代の暗号資産保有者を対象に行われました。年収600万円以上の男女1,001人を対象に、PRIZMAによるインターネット調査が実施されました。調査期間は2025年の5月9日から10日です。
明らかになった長期保有の傾向
調査結果から、約3割が「10年以上」の保有を希望しており、高額保有者に至ってはその割合が6割にも達しました。通常の投資商品とは異なり、暗号資産に対する中長期的な視点でのアプローチが顕著に表れています。
具体的には、多くの投資家が暗号資産の成長性や将来の価格上昇への期待を持ちながら、リスクを抑えた運用方法を取り入れていることが分かりました。
長期保有の理由
調査において、暗号資産を保有する理由として最も多く挙げられたのは「資産運用の手段として有望」という点です。次いで「価格上昇による利益」の期待や、「リスクヘッジとしての分散投資」も理由として多く挙げられています。このように、暗号資産が資産形成において重要な位置を占めつつあることが伺えます。
保有額の分布
暗号資産の保有額に関しては、最も多い層が「10万円未満」であり、次いで「100万円〜300万円未満」という結果が出ました。しかしながら、高額保有者も一定数存在し、1,000万円を超える保有者も1割以上存在することがわかりました。これにより、暗号資産が富裕層にとっても本格的な資産運用の選択肢として注目されていることが示唆されます。
今後の運用方法
特に興味深いのは、暗号資産保有者が実践している運用方法です。「価格が下がっても売らずに長期保有する」というスタンスが最も多く、リスクを抑えた運用を志向する人が多いことが確認されました。また、レンディングサービスを導入し資産を利回り獲得に活用している投資家も増加しています。
ビットコインの将来に対する期待
ビットコインの10年後の価格予想に関する質問においては、なんと43.1%もの人が「20万ドル(約3,000万円)以上になる」と答えています。これは、ビットコインに対する長期的な成長性への期待を如実に示しています。
制度面での期待
さらに、投資家たちが期待する日本の暗号資産政策としては、「税制の見直し」が半数以上を占めました。利益に対する税負担の軽減や申告方法の簡素化が求められています。このような制度の整備が進むことで、暗号資産はより信頼性の高い投資対象として、一般の人々にも受け入れられるようになると考えられます。
まとめ
今回の調査結果から、暗号資産に対する投資行動は中長期的な視点に向かっていることが明らかになりました。資産運用の手段としての魅力や、リスクを分散するための戦略が多くの投資家に受け入れられていることが分かりました。暗号資産の金融商品化が進むことで、さらに多くの投資家がこの市場に参入し、資産形成の選択肢が広がることが期待されます。