eWeLLのiBowが新たなケアプランデータ連携システム実現で業務効率化を推進

eWeLLの新システムでケアマネジャーと連携を強化

在宅医療のデジタル化が急速に進む中、株式会社eWeLLが開発した訪問看護専用電子カルテ「iBow」が、「ケアプランデータ連携システム（V4）」のベンダ試験を無事に完了しました。この新システムの導入により、ケアマネジャーと訪問看護事業者の連携が強化され、国の施策である地域包括ケアシステムの一翼を担うことが期待されています。

ケアプランとは何か

まず、ケアプランの役割について触れておきましょう。ケアプランとは、介護支援専門員であるケアマネジャーが利用者の状況に基づき作成するサービス計画書です。高齢化が進む日本において、ケアマネジャーは重要な役割を果たしており、利用者に適した介護サービスを的確に提供する責任を負っています。

しかし、利用者の生活ニーズが多様化し、特に独居高齢者や認知症の方々へのサポートが求められる中、ケアマネジャーの業務はますます複雑化しています。これが「シャドーワーク」と呼ばれる報酬対象外の業務を生み出し、業務負担が増大する要因となっています。例えば、従来の業務フローではFAXや手渡しで書類をやりとりするのが一般的なので、非効率なプロセスが業務の妨げとなっていました。

iBowが解決する課題

「ケアプランデータ連携システム」は、こうした課題に対する解決策として設計されています。具体的なメリットは以下の通りです：
1. 簡単なデータ送信：ドラッグ＆ドロップで計画書や提供票を送信できるため、郵送やFAXの手間を省けます。
2. 安全性の確保：書類の記載ミスや不備に即座に対応可能で、介護報酬請求においても高いセキュリティが確保されています。
3. 業務時間の削減：やりとりにかかる時間を最大3分の1に減少させることが期待されています。

これによって、訪問看護事業者は連携のミスを大幅に減少させることができ、より効率的な業務運営が可能になります。

データ標準化の重要性

さらに、「ケアプランデータ連携システム」はデータの標準化も実現します。従来はさまざまな介護サービスのシステムやFAXによるやりとりが煩雑でしたが、この新システムを通じて、居宅介護支援事業所と訪問看護事業者は異なるサービスを使っていても、スムーズかつ安全に情報のやりとりができるようになります。これにより、看護師の生産性とセキュリティも向上します。

国策としての位置づけ

「ケアプランデータ連携システム」は、国が進めるデジタル化の一部として位置づけられています。その効果は、令和6年度の診療報酬改定において、導入した居宅介護支援事業所に対する実質的な加算につながる見込みです。2025年6月から開始されるフリーパスキャンペーンを契機に、多くのケアマネジャーが新システムを利用することが期待されます。

eWeLLの取り組みと未来

eWeLLは、地域包括ケアシステム全体の生産性向上に向けた活動を続けています。また、ケアプラン以外の情報も安全にやりとりできる地域包括ケアプラットフォーム「けあログっと」を無料で提供しており、地域資源の探索にも役立ちます。これにより、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を続けられるような支援活動を行っています。今後も地域包括ケアの最適な連携を追求し、具体的な情報発信を続けていく方針です。

結論として、eWeLLが進める「ケアプランデータ連携システム」は、訪問看護サービスの質を高めるだけでなく、国が掲げる地域包括ケアの実現に向けて重要な一歩となります。ぜひ、地域のケアマネジャーとの連携を図り、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。