新卒エンジニアの育成実態
近年、IT業界における新卒エンジニアの育成に焦点が当たり、その中でも「ソフトスキル」に関する課題が浮かび上がっています。株式会社リアセックによる調査によると、専門技術だけでなく、コミュニケーションや協力のスキルが重要とされています。新卒エンジニアは入社直後、一年間で業務に必要な知識を身につけるだけでなく、チームで成果を出すための姿勢も養う必要があります。
調査の結果、新卒エンジニアの約90%が入社後、主体性や協調性に課題を抱えていることが明らかになりました。企業は、早期戦力化と離職防止を目指し、テクニカルスキルの育成に注力していますが、ソフトスキルの重要性は高まっています。育成には、技術を教える集合型研修が主流ですが、現場では「チームで協力する力」の育成が求められています。
調査結果の概要
調査対象は、IT企業で新卒エンジニアの育成を担当する人事担当者と現場マネージャーの863名です。結果、中でも新卒エンジニア向け研修内容に関しては
- - 技術スキル中心の集合型研修に対する満足度が高く、約90%が実務で役立つと評価
- - しかし、配属後のソフトスキルに関してはおおよそ90%が「不足」と感じている
- - 新卒育成において重視されるスキルとして「チームで協力する力」が最も多く挙がる一方、現場では不足しているとの意見が寄せられました。
このような状況下で、企業はどのように新卒エンジニアを育成するべきなのか、かなりの割合が人事のサポート体制が必要と考えています。
ソフトスキル育成に向けた取り組み
調査では、約90%の企業が「人事が現場を支援する体制」の必要性を感じています。このことから、従来の単なる業務指導や研修とは異なり、サポート体制の強化が急務であると分かります。特に、ソフトスキルは知識として身につくものではなく、実践を通じて鍛えられるため、実際の業務を活用した育成が求められています。
また、OJT(On the Job Training)も有効な手段ですが、教える側のスキルや環境の影響を受けやすく、統一した育成効果を得るのが難しい現状があります。このため、現場の支援だけではなく、個々の社員に応じたパーソナライズされたアプローチが必要です。例えば、データ分析を用いたパーソナライズトレーニングツール『コントレ』のように、自己学習を促進させる方法が期待されています。
今後の展望
今後、新卒エンジニアの育成には、単に技術スキルを身につけるだけではなく、ソフトスキルを磨くことで、より柔軟で適応力のあるエンジニアの育成が急務と言えるでしょう。調査により明らかになったソフトスキルの重要性や現状の課題を踏まえ、企業としての新たな取り組みや体制の構築が必要です。これからのIT業界においては、コミュニケーション能力や協力能力を高めることが、有能なエンジニア育成の鍵となります。
だからこそ、今後の人事施策には、日常業務にソフトスキル育成の要素を取り入れる工夫が重要であり、育成の「共育」に向けた新たな試みが求められています。私たちが追い求めるのは、技術力に加えて人間性が豊かなエンジニア育成の実現です。