飯塚市の防災と技術
2026-09-01 12:17:59

飯塚市が取り組むブロックチェーン技術と防災の融合による新たな試み

飯塚市が取り組むブロックチェーン技術と防災の融合による新たな試み



2025年12月から2026年3月にかけて、福岡県飯塚市で開催された「令和7年度飯塚市先端情報技術実証実験サポート事業」では、日本初の「ブロックチェーン(DID/VC)×防災」の実証実験が行われました。このプロジェクトは、渋谷Web3大学株式会社、株式会社かんがえる防災、Turing Japan株式会社の3社によって実施され、最終的な結果をまとめた事業終了レポートが2026年7月27日に飯塚市に提出されました。本記事では、実証実験の概要と成果、そこで見えてきた課題について詳しくご紹介します。

実証実験の目的とは?


このプロジェクトの主な目的は、「避難所受付のデジタル化」と「防災学習の平常化」です。飯塚市はブロックチェーン技術を活用し、平常時には防災学習の証明書として、非常時には避難所での本人確認を行うことを目指しました。特に、避難所の受付を完全デジタル化することで、スムーズな運営を実現しようとしました。

実施内容と成果


実証実験は、計4つの主要な活動を通じて実施されました。

1. キックオフ実証実験(2025年12月23日) では、事前に発行されたDID/VC証明書を持つ市民が避難所に避難した場合のロールプレイングが行われました。この時、手書きでの受付とDID/VCを利用した受付の時間を比較したところ、手書きでは約151秒、DID/VCでは約69秒という結果になりました。

2. 防災クイズ(2026年1月19日〜3月15日) では、全56問のクイズが毎週配信され、参加者にはDID/VC証明書が段階的に発行されました。このクイズは、正解がない設計になっており、参加者に考える機会を提供しました。

3. 中間報告(2026年2月17日) では、デジタル大臣政務官の基調講演を行い、実測データが報告されました。

4. 第2回実証実験(2026年3月20日) では、思想が異なる2つのブロックチェーンを同日に実験し、デジタル化の効果を再評価しました。

見えた課題とは


実証実験の結果として、様々な課題も明らかになりました。特に、認証のために必要な時間が長いという点が指摘され、その主な原因として「使い方」にかかる時間が挙げられました。加えて、DID/VCといった用語が市民には分かりづらいとの意見もありました。

また、防災学習の視点からは、平常時から市民が「どう行動するか」を考え続けるための体制づくりが重要であることが再確認されました。デジタル化が進む中で、技術だけではなく、人々の意識を変えていくことが鍵となります。

今後に向けて


飯塚市では引き続きブロックチェーン技術を推進していく方針であり、この実証実験での成果や課題を活かして、さらなる取り組みを進めていく予定です。特に、個別避難計画や災害ボランティアの証明、地域防災の資産としてのクイズの活用など、多様なシナリオが検討されています。

今回のプロジェクトは、技術と人が互いに支え合う重要性を再認識させるものでした。新技術が人々の生活にどのように浸透し、豊かな未来を創造するのか、今後も注目が必要です。


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