自動運転トラックと貨物鉄道の融合
2025年7月14日、関東と九州を結ぶ新しい物流の形が始まります。自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」が実証運行され、これまでにない往復の輸送モデルを実現します。これは、地球環境問題への取り組みや物流業界の労働環境改善、労働力不足の解消という課題を解決するための一歩でもあります。
参加企業とその役割
今回は4社が協力して実証運行に取り組みます。東洋製罐グループホールディングスの子会社である東罐ロジテックを中心に、全国通運株式会社、JR貨物、そしてT2が連携し、飲料用紙コップなどの紙容器を効率よく輸送します。特に、T2が開発したレベル2の自動運転トラックは、この実証運行の要となります。
モーダルコンビネーションの実証とは
モーダルコンビネーションは、トラックと鉄道を融合させた輸送モデルです。これにより、輸送効率を高め、輸送コストの削減に貢献します。実証運行では、第一段階として関東の厚木工場から大阪を経由して福岡までの往復輸送が行われます。往路は、トラックでの高速道路輸送と、鉄道での貨物輸送が組み合わさり、復路ではその逆の構造となっています。
具体的な輸送ルート
輸送区間は以下のように設定されています。
- - 往路: 東罐興業厚木工場(神奈川県)→ 大阪貨物ターミナル駅(大阪府)をT2の自動運転トラックが担当し、そこから福岡貨物ターミナル駅をJR貨物が輸送します。福岡県内では全通がトラック輸送を行います。
- - 復路: 福岡から大阪まではJR貨物が担当。大阪からは再びT2の自動運転トラックで北関東営業所(埼玉県)まで運ばれます。
未来への可能性
この実証運行では、特に自動運転トラックによる新たな輸送ルートのテストが行われます。自動運転トラックは特定の条件下で監視付きで運行され、今後のレベル4自動運転技術の導入も視野に入れています。これにより、物流業界はさらなる効率化と柔軟性を持つ可能性があります。
環境への配慮と社会的貢献
このプロジェクトは単なるビジネスの枠を超え、持続可能な社会の実現にも貢献します。物流の効率を上げることで、運搬時の二酸化炭素排出量の削減が期待されており、エコに配慮した運輸体制の構築を目指しています。また、物流業界の労働環境も考慮され、多くの人々が快適に働ける環境を作るための施策も進められています。
おわりに
2025年に向けたこの実証運行は、自動運転技術の実用化に向けた重要なステップと言えるでしょう。物流の新しい形を模索する中で、私たちの生活やビジネスに革命的な変化をもたらすことが期待されます。現代の社会に必要とされる持続可能な物流システムに向けて、今後の進展から目が離せません。