aiESG、スタートアップとして初のTNFDレポートを発表
福岡県福岡市に本社を置く株式会社aiESGは、日本のスタートアップおよび中小企業として初めてTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づくサステナビリティレポートを自主的に開示しました。このレポートは、大手企業に限らない全企業がESG(環境・社会・ガバナンス)経営に取り組むための重要な一歩を示します。
TNFDレポート開示の背景
aiESGの設立は、九州大学からのスタートアップとして、AI技術を活用したサプライチェーンにおけるESG評価サービスを提供することを目的としています。日本では、多くの企業がTNFDアダプターとして登録されており、環境省も支援を表明していますが、多くの中小企業は依然としてリソース不足や取り組みの複雑さから、これに対処するのが難しい状況です。
この背景から、aiESGは3周年を迎えるにあたり、率先してTNFDレポートを公開し、透明性と説明責任をもって自らの実践を示すことを決意しました。このレポートは、同様の挑戦を抱える企業の手助けとなることを目指しています。
aiESGの取り組み: 自然関連リスクと機会の分析
本レポートでは、aiESGが提供する評価手法を活用し、自社の自然資本に関する依存・影響・リスクを詳しく分析しています。TNFDが推奨するLEAPアプローチに従い、サプライチェーンのリスクを可視化しました。「ホットスポット」として特定された環境や人権リスクは、国や業種ごとに分析されます。また、社内従業員への調査も実施し、マテリアリティ評価に活かしています。
自社の環境フットプリント
- - 事業特性: aiESGはテクノロジー主導のコンサルティング企業であり、物理的な製品の製造はありません。これにより、直接的な環境負荷は比較的低いですが、間接的な影響は大きな要素です。
- - 主な排出源: オフィスの電力消費や、出張や通勤に伴う移動からの排出が主な温室効果ガスの発生源です。
- - サプライチェーンの重要性: 環境フットプリントの95%以上がサプライチェーンに由来していることが判明しました。
サプライチェーンにおけるリスクと機会
aiESGは、サプライチェーン全体を見渡し、様々なリスクと機会を特定しました。データセンターにおける冷却水の使用が主要な環境負荷要因とされ、さらに多くのGHGが情報サービスや研究開発で発生していることが分かりました。また、データセンターが洪水リスクの高い地域に位置していることも明らかになりました。
今後の目標とコミットメント
aiESGは、以下の3つの分野に特に注力していきます。
1.
水の持続可能性: 社会課題解決を目指す団体とのパートナーシップを探求し、持続可能な水利用に貢献します。
2.
カーボンフットプリントの管理: AIモデルのトレーニング効率を高め、信頼性のあるカーボンリムーバルプロジェクトに投資を行います。
3.
社内体制の強化: サステナビリティ経営の文化を根付かせるため、社内にサステナビリティ委員会を設置し、データ収集プロセスを強化します。
aiESGのビジョン
代表取締役の馬奈木俊介は、「この報告書の公開は、ESGへの配慮を我々の事業のあらゆる側面に統合する決意の表明です」と述べています。aiESGは、科学的知見と実行の間のギャップを埋めることで、データが真の変化を生むような意思決定に繋がることを目指しています。このレポートが、同じ志を持つ企業へのインスピレーションとなることを願っています。
会社概要
株式会社aiESG(アイエスジー)は、福岡市に本社を構え、サプライチェーン全体にわたるESG評価プラットフォーム「aiESG Flow」を展開しています。持続可能な社会の実現に向け、さまざまなESG関連サービスを提供しており、今後も着実に成長していくことでしょう。詳細は、
公式ウェブサイトで確認できます。