生成AIと産業用ロボットが生み出す新しい現場
株式会社チトセロボティクス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:西田亮介)が、新たに発表した生成AIを活用した産業用ロボットの動作指示システムが注目を集めています。このシステムは、視覚と言語を結びつける「VLM(Vision-Language Model)」の技術を基に、産業用ロボットが高精度な作業を遂行できるように設計されています。
背景と目的
製造業において、産業用ロボットの活用は急速に進展してきています。しかし、現場作業者が直接ロボットに対して動作指示を行うためのシステムはまだ発展途上です。この新たな動作指示システムは、ロボットに対して指示を出すスキルを持たない一般の作業者でも、確実に動作を実行できるように設計されています。
この検証は、ベテラン技術者に匹敵するレベルのコードを現場の一般作業者が生成できるためには、どのような情報構造が必要なのかを明らかにすることを目的としています。
検証対象のタスク
今回の検証では、主にピック&プレイス作業を含むタスクに焦点を当てました。具体的には、カメラで認識したワークを把持し、所定の位置に置くといった一連の動作を指示しました。この際、「ワークが見つからない場合は動かさずにエラー終了する」といった安全動作に関わる条件も評価に含まれています。
検証方法
人間の作業者が日本語でロボットに対して指示を出し、それをVLMコーディングエージェントが解釈し、C++言語で制御プログラムを自動生成します。参照情報は「埋込プロンプト」、「APIリファレンス」、過去の「事例データベース」の三つに分け、各情報が生成されるコードの質にどのように影響を与えるかを検証しました。
検証結果
結果として、参照情報を段階的に追加することにより、ロボットが実行する指示に対する準拠度とコードの品質が大幅に改善されたことが示されました。特に、過去事例データベースの情報は、実務の現場から得られた知見をAIが活用できる大きな要因として機能しました。
| 参照情報の段階 | 指示仕様準拠 | コード習熟度 | 合計スコア |
|---|
| ---- | ---- | ---- | ------ |
| 標準サンプルのみ | 191点 | 32点 | 223点 |
| + 埋込プロンプト | 202点 | 39点 | 241点 |
| + APIリファレンス | 216点 | 40点 | 256点 |
| + 過去事例データベース | 222点 | 44点 | 266点 |
このように、参照情報の整理が重要であり、埋め込みプロンプトは基本的な操作規則を提供し、APIリファレンスは正確な実装を行うための指針を示します。過去事例データベースは、現場特有の知識をAIが学習するための貴重な情報源となることが確認されました。
今後の展望
チトセロボティクスでは、今後もこのシステムを改良し、実際の現場における連続稼働試験やより複雑な作業への適用を進めていく計画です。これにより、生成AIと産業用ロボットが連携し、技術がより多くの現場で活用できる仕組みを構築していくことを目標としています。
その実現に向けて、社内で蓄積されたノウハウをAIが活用できる形で整備し、一般作業者がより使いやすい環境を作り出すことが求められています。
リンクと情報
ロボティクス・メカトロニクス講演会2026では、今回の検証に関する詳細が発表される予定です。ぜひ参照し、最前線の技術に触れてみてください。また、チトセロボティクスのYouTubeチャンネルでも、様々なロボット技術の実演動画が公開されていますので、ぜひご覧ください。