折尾駅に新たな記憶を創造する香り演出プロジェクトが始動
2025年7月25日、JR九州とSOU FRAGRANCEが共同で、福岡県北九州市にある日本初の立体交差駅・折尾駅において、香りを用いた新しい体験の実証実験を開始します。このプロジェクトは、駅という日常的な場所における滞在時間を、香りによってより心地よく、記憶に残るものに変えることを目指しています。
たった数分が特別な瞬間に
香りは瞬時にして私たちの感情に影響を与えます。駅で過ごすほんの数分間を、ただの待ち時間として過ごすのではなく、美しい香りによって快適さを感じ、心に残る体験に変えることができるのです。このプロジェクトは、訪れる人々にとって駅の魅力を引き出し、その思い出を深める手助けをします。
「心ととのう駅」のコンセプト
香りが新しい体験を提供することで、駅と人との関係を再定義することを目指しています。香りには、未知の世界への扉を開く力があります。駅で感じる香りは、視覚や聴覚が制限されている人にとっても安らぎをもたらすかもしれません。今回、SOU FRAGRANCEが調香した香りは、「心をととのえる」瞬間を提供し、日常の騒音から解放する空間を生み出すことを目的としています。
折尾駅という交差点
折尾駅は、2021年にリニューアルされ、モダンなデザインが魅力です。しかし、伝統も大切にされており、駅弁の立ち売りやその懐かしい声が、駅の空気を和ませています。こうした風景が織り成す時間の交差点に、香りが加わることで、鉄道旅行者と日常を過ごす人々の交流が深まります。今回の香り『Awai – 折尾ノ香』はこれらの要素を取り入れて調香されました。
あわいの香り
「Awai」とは、日本語の中でも独特な概念であり、空間をつなぐ「間」のことを示しています。香りを通じて、過去と現在、公共と個人、日常と非日常の「間」を感じられるようにデザインされています。折尾駅で過ごすすべての人が、この香りによって心に響く瞬間を体験できることを願っています。
香りの内容
今回調香された香りは、ピンクグレープフルーツの鮮やかさやヒノキの静けさ、フランキンセンスの深みなど、100%天然精油を使用しています。これにより、駅を訪れる人々にとっての特別な「ととのいの時間」を演出します。毎日の忙しさの中で、立ち止まり、深呼吸したくなるような体験をお届けします。
駅長の思い
折尾駅の駅長である水嶋法子氏は、「懐かしくて、新しい折尾駅にふさわしい香りが完成しました。訪れるお客様に心地よい時間を届けられるように、社員一同、寄り添った案内を心がけています」とコメントしています。
実証実験の展開
この香りの演出は、2025年8月24日までの期間限定で行われます。香りによる空間の快適性や利用者の感情的記憶への影響を検証した結果を元に、他の駅や都市空間への展開を考慮しているということです。香りを通じて地域と都市、過去と未来を繋げるデザインを提案していく意向が示されています。
SOU FRAGRANCEの哲学
香りの専門家である折井茜氏は、天然の香りが持つ深い力を大切にし、香りが人を束縛することのないように配慮しています。公共空間への香りの導入には、常に快適さ、安全性、豊かさを追求する姿勢が求められます。これが、SOU FRAGRANCEが掲げる「香りと社会の調和」の理念です。
折尾駅に訪れた際には、ぜひ香りによる新しい体験を楽しんでみてください。心を整える香りが、あなたの旅の思い出に深みを与えることでしょう。