地域から考えるネイチャーポジティブ
2026年6月24日に、佐賀大学で行われた特別講義「地域からはじめるネイチャーポジティブ」では、NPO法人唐津Farm&Foodの副理事である木下翔太氏が講師として登壇しました。約40名の2年生の学生を前に、90分にわたり「地域からはじめるネイチャーポジティブ─OECM(自然共生サイト)と資源循環・環境教育の実践」というテーマで講義が行われました。
ネイチャーポジティブとは何か?
ネイチャーポジティブは、生物多様性を守り、自然環境を回復するための考え方です。この講義では、特別な場所で行われる施策ではなく、日常生活の中でどのように始められるかを、実際の事例と共に学生と分かち合いました。
自然共生サイト「横枕」での実践
講義の前半では、唐津市相知町にある自然共生サイト「横枕」の取り組みが紹介されました。このサイトは、環境省によって認定された生物多様性の保全活動が行われている場所です。地域の人々が共に里山を手入れし、生き物たちが住みやすい環境を維持するための日々の努力が強調されました。木下氏は、地域コミュニティとの協働が持つ重要性についても触れ、持続可能な地域社会を目指す意義を語りました。
海洋プラスチックへの取り組み
講義の後半では、海洋に漂着するプラスチック問題について、「Precious Plastic 唐津」という活動が紹介されました。このプロジェクトは、廃プラスチックを新しい製品として再利用することを目的としたもので、色とりどりのアート作品がその一環として発表されました。しかし、木下氏が強調したのは「まず、減らす」という方針です。アートが目に見える形で廃棄物問題を浮き彫りにし、その後の使用量を減少させることを目指した取り組みが意義深いと語りました。
学生たちの疑問と探求心
講義の締めくくりでは、質疑応答の時間が設けられました。この10分間では、さまざまな専攻を持つ学生たちからの質問が寄せられ、それぞれの視点から木下氏への理解を深める場となりました。芸術学部の学生からは、海洋プラスチックで作られたブロックの製造過程についての関心が寄せられ、農学部の学生はニホンミツバチに対する深い質問を投げかけました。これに対し、木下氏は「心に響く質問が多く、学生たちの関心の高さを感じました」とコメント。
未来を描く取り組み
以上の活動を通じて、木下氏は今後の里山での取り組みや、地域全体がネイチャーポジティブの理念を実践していくための展望も示しました。地域の人々が一緒に取り組むことが、持続可能な未来を創る鍵であることを強調しました。これを受けて、学生たちも新たな視点を得て、地域への関心をさらに深めたことでしょう。全体を通じて、地域社会と環境の関係性を考える重要な機会となった特別講義の様子でした。
団体のプロフィール
NPO法人唐津Farm&Foodは、佐賀県唐津市を拠点に活動する団体であり、生物多様性の保全や環境教育、サーキュラーエコノミーを推進しています。気候変動や環境問題の解決に向けた具体的なアプローチを地域で展開し、持続可能な社会の実現を目指しています。公式サイトやSNSを通じて、さまざまな活動を発信しています。