看護師の働き方調査
2025-05-20 11:29:29

看護師の働き方に関する意識調査2025結果と今後の展望

看護師の働き方に関する意識調査2025結果と今後の展望



株式会社エス・エム・エスは、全国の看護師9,304名を対象に「働き方に関する意識調査」を実施しました。調査は2021年から始まり、今回は4回目の報告となります。以下に、調査結果をまとめながら、看護業界の動向を探ります。

1. 職場満足度の高い看護師


調査によると、現在勤務している看護師の62.4%が職場に満足していると回答しています。特にクリニックや訪問看護ステーション、介護施設での満足度が上昇しています。一方で、人員配置に対しては約7割(70.2%)が不満を抱えており、管理職のマネジメント(63.1%)にも課題が見られます。これらの結果は、他の調査結果と一貫しており、業界全体での改善が求められています。

2. 満足と不満の理由


満足と不満の主なポイントは、過去3回の調査と類似した結果となっています。満足感の高い点として「同僚との関係(81.8%)」や「患者・利用者との関係(76.5%)」が挙がっていますが、不満を持つ看護師の中には「適切な人員配置」と「管理職のマネジメント」に対する不満が顕著です。このような組織運営や管理体制の問題は、定着率や働きやすさに大きな影響を与えています。

3. 退職理由と職場選びの基準


前職を退職した看護師の31.5%が「上司との関係に不満」を理由に挙げています。この数字は3割を超え、依然として上司との関係が退職の主要因であることが浮き彫りになりました。職場選びでは「勤務時間・体制(56.1%)」や「職場へのアクセス(53.2%)」が最も重視されており、給与の重要性は41.8%です。この結果から、看護師は働きやすさや生活の質を重視していることが分かります。

4. 転職後の働き方の希望


看護師の転職後の働き方については、「常勤(日勤のみ)(54.5%)」が最も希望されており、次いで「常勤(夜勤あり/2交代制)(32.9%)」「非常勤(扶養範囲外)(15.8%)」が続きます。特に常勤の希望が高まっている一因として、物価上昇による収入の増加を求める層が増えていることが考えられます。

5. キャリアプランと訪問看護への関心


キャリアプランに関しては、「明確なプランはない(50.6%)」が最も多く、キャリア形成に対する明確なビジョンを持たない看護師が多いことが確認されました。一方で、訪問看護ステーションで働きたいと考える看護師は29.3%にも上り、在宅医療の重要性を認識する声が高まっています。この流れを受け、訪問看護の環境整備が急務とされています。

6. ICT導入と業務効率化


急性期病院の97.7%がICTを導入しており、業務の効率化が進んでいます。看護現場でのICT導入によるメリットとしては「情報共有の容易さ(82.5%)」や「カルテ管理の簡便さ(62.1%)」が挙げられ、デジタルの導入が看護業務において感謝される一方、ネガティブな意見も存在します。特に、ICT機器のトラブルが業務を妨げるという声が挙がっており、対策が求められています。

7. 研修とサポートのニーズ


職場で受けたい研修については、「ストレス管理(34.1%)」が最も多く、次いで「救急・急変時対応」と「接遇・マナー」が続く結果となりました。また、外部からのハラスメントに関する相談窓口を希望する声も31.5%と高いため、外部サポートの充実が望まれています。

総括


今回の調査結果は、看護師が抱える満足と不満、退職の原因、働き方の希望など、多角的に業界の現状を浮き彫りにしました。特に、職場環境の改善や職場定着に向けた取り組みが今後の課題として浮き彫りになり、業界全体の働きやすさの向上を目指す必要があります。これからも継続して業界の動向を注視し、看護師が安心して働ける環境づくりに努めることが求められています。


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