久留米空襲を振り返る演劇「青色と灰色の境界線」再演
戦後80年を迎える2025年、久留米市では《青色と灰色の境界線 -Inherit the heart-》が再演されます。この演劇作品は、久留米市に実際に起こった1945年の久留米空襲を題材にしています。地元の人々が集まり、平和の大切さを伝えるために創り上げた90分の物語です。
演劇の背景と歴史
本作は初めて2010年に合同会社AI KAGo Projectの代表、入部亜佳子によって高校演劇部で制作された《久留米大空襲》を基に、2023年には久留米市出身で東京在住の脚本演出家、林将平の手によって新たに生まれ変わりました。久留米空襲がもたらした悲劇を、次世代へのメッセージとして継承することを目的に、今年再演される運びとなりました。
2024年には2023年の舞台映像の上映会やキャストオーディションが行われ、昨年の出演者を含む新たなキャストを迎えます。子役たちが中心となり、戦争の悲劇と平和の希求を伝え続けることが期待されています。
平和と命を考える意義
22世紀を視野に入れた「次の世代へiのちを繋ぐプロジェクト」として、本演劇は特に子どもたちに向けて「戦争」、「平和」、「命」について考えるきっかけを提供することを目指しています。今回は久留米市長原口新五からの応援メッセージもいただいており、地域全体での取り組みとして広がっていることが感じられます。
市長は、戦争の記憶を継承し、若い世代が中心になって製作したこの演劇を通じて、多くの人に平和の尊さを再認識してもらいたいと強調されています。特に8月の公演期間中は、ロビーで平和に関する資料が展示され、観客が歴史を学ぶ機会も設けられています。
記憶を風化させないために
久留米市では、核兵器の廃絶と恒久の平和を訴えるために、『核兵器廃絶平和都市宣言』を昭和59年に行いました。今や戦後生まれが人口の大部分を占め、戦争体験者の言葉を直接聞く機会が少なくなっています。このような状況において、演劇を通じた教育的なアプローチは、非常に重要な取り組みと言えます。
今後も演劇制作に携わる人々は、記憶を風化させないよう努め、未来へのメッセージを発信し続けます。若い出演者たちが一人でも多くの人に届くよう願いを込めて、心を込めた演技を披露します。
公演情報
あらすじ
1945年、久留米市上空にて航空機からの爆弾が投下され、町は焦土となった。その日を振り返る一人の女性、八恵が孫の由詩乃と共に遊び場を訪れ、恵まれた子供時代と戦争によって奪われたものについて語る。
公演日程
- - 2025年8月13日(水)18:30 青
- - 2025年8月14日(木)13:30 灰 / 18:30 青
- - 2025年8月15日(金)13:30 灰
会場
久留米シティプラザ 久留米座
〒830-0031 福岡県 久留米市六ツ門町 8-1 3F 久留米座
チケット情報
- - 大人前売:2,800円
- - 小中高生前売:1,000円(当日券は200円増)
チケットは、久留米シティプラザや石橋文化センター、また公式サイトから購入可能です。多くの人に平和の大切さを伝えるこの素晴らしい演劇を、一緒に体験してみてはいかがでしょうか。