大英産業が郵送業務67%削減を実現した理由とは?
福岡を拠点とする大英産業株式会社は、創業から57年を迎える不動産業界の老舗。近年、その運営の中で、新しいコミュニケーション手法を導入し、郵送業務を67%も削減する成果を上げたことが話題となっています。ここでは、同社が抱えていた課題、そしてその解決策として導入した「SpaceCorePro」の成果を深く掘り下げていきます。
従来の顧客対応における課題
大英産業は、顧客との信頼関係を重視し、長い歴史を築いてきました。しかし、過去の顧客とのやり取りは主に郵送や掲示板といったアナログの手法に頼っていたため、一方通行的なコミュニケーションが主流でした。当時、特に新築分譲マンション事業では、一年近い契約から引き渡しにかけて、顧客への情報提供が遅れがちでした。
当時同社のCS推進課を率いていた末岡佳純氏は、「お客様の不安をリアルタイムで解消するのが難しかった」と振り返ります。さらに2016年の熊本地震では、情報伝達の脆弱性が顕在化し、顧客の安全に対する危機感が高まりました。これが、「何とか顧客との壁を破れないか」という思いを一層強めました。
SpaceCoreProとの出会い
大英産業は、このような課題を乗り越えるために、アクセルラボの「SpaceCorePro」の導入を決断しました。同社が特に評価したのは、単なる情報伝達機能ではなく、アプリのリレーション機能とスマートホームの統合でした。末岡氏は「導入当初の目的はアナログからの脱却だったが、入居者が日常的に使い続けることで、長期的な関係を維持できる点に大きな可能性を感じた」と語ります。
導入の効果
以下のような3つの効果が顕著に表れました。
1.
業務プロセスの進化: 従来の年間約1,500通の郵送物が67%削減され、従業員は顧客へのフォローや新たな企画に注力できるようになりました。
2.
顧客体験の向上: アプリのチャット機能により、顧客は時間を気にせず問い合わせができ、重要書類の回収率が大幅に向上しました。これにより顧客とのコミュニケーションは、単なる問い合わせから継続的な対話へと進化しました。
3.
情報の一元管理: 顧客とのやり取りが「SpaceCorePro」によって可視化され、部門間での連携ミスや案内の重複が解消されました。これにより、属人化していた顧客対応が改善され、会社全体の資産として情報が一元管理されるようになりました。
スマートホームの導入
また、大英産業は「ザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンス」という特別なプロジェクトに「SpaceCorePro」のスマートホーム機能を搭載しました。このプロジェクトはJR小倉駅から徒歩4分という立地にあり、次世代型スマートマンションとして企画されています。入居者は各種IoT機器を通じて快適な生活ができるようになっているのです。2025年9月の入居開始を控え、すでに9割以上の成約を上げており、スマートホーム機能が高く評価されています。
これからの展望
末岡氏は、今後について「『元気な街、心豊かな暮らし』という理念を実現するために、お客様に寄り添い続ける不動産会社を目指します」と語ります。新しい技術を積極的に取り入れながら、多様化するニーズにも応えていく所存です。今回の取り組みは、その大きな一歩であると確信しています。
大英産業は、「SpaceCorePro」を活用し、これからも進化し続ける不動産業界の一端を担っていくでしょう。
SpaceCoreProについて
「SpaceCorePro」は、スマートホーム機能、スマート管理機能、リレーション機能を組み合わせた集合住宅向けのIoTプラットフォームです。入居者はアプリで家電を容易に操作でき、管理者は効率的に物件を管理することができます。これにより、経済的な利益に加えて日常業務の負担軽減にも寄与しています。