多胎家庭を支える新たな訪問看護サービス「tatacare」のスタート
一般社団法人tatamama(本部:福岡県福岡市、代表理事:牛島智絵)が、双子や三つ子などの多胎家庭を支援する訪問看護事業「tatacare」を2026年6月1日に開始することを発表しました。この新たな試みは、地域における多胎家庭の孤立を解消し、育児負担の軽減を目指しています。
事業の実行は、双子育児の経験を持つ看護師夫婦が担当し、妻の加藤久美子氏がピアサポートと看護の両面から事業をまとめ、夫の加藤俊太郎氏が現場運営をサポートします。近隣には「子どもと親こころの百年灯クリニック」が2026年6月15日に開業予定で、同クリニックの小児精神科医である黒川駿哉氏も協力。この二つの施設が隣接することで、医療的ケアとピアサポートが一体的に提供される新しい地域支援モデルが構築されます。
多胎家庭の抱える負担
多胎育児は身体的にも精神的にも多くの負担が伴います。特に早産や低出生体重によって、赤ちゃんには哺乳力の弱さや呼吸不安定などの問題が付きまとうことが多く、退院後も継続的な支援が必要なことが多いです。また、多胎家庭では、たとえ二人や三人でも外出が難しいため、相談の機会すら持ちづらいという問題があります。訪問看護は、赤ちゃんの健康管理や育児サポートを行うだけでなく、母親の体調不良にも寄り添った支援を提供します。
このような訪問看護サービスは、家で過ごす安心感の中で、専門職からの直接の助言や支援を受けることができるため、多胎家庭にとって非常に重要な役割を果たします。特に育児の過程で感じる孤立を軽減するため、家庭全体を支えるケアが必要です。
tatacareの支援体制
tatacareでは、看護師とピアサポーターが連携して支援する体制を整えています。医師からの指示や家庭の状況に基づき、医療的ケアに加えた「経験者ならではの安心感」をもたらす支援が行われます。訪問看護が終了した後も、自費によるピアサポートに切り替えて、乳幼児の健診や病院の付き添いなど、様々なサポートを柔軟に受けることが可能です。
「子どもと親こころの百年灯クリニック」の役割
特に注目されるのが、黒川駿哉医師が開業する「子どもと親こころの百年灯クリニック」との連携です。このクリニックは、日常的に連携できる距離に位置するため、子どもに対する発達や精神的な悩みの相談、さらには疲れた保護者のこころのケアに幅広く対応します。こうした医療と訪問看護の一体的なサービスにより、多胎家庭が見逃しがちな必要な支援に迅速にアクセスできる環境づくりが進むことが期待されます。
立ち上げの背景と今後の展望
tatacareの立ち上げには、多胎育児の現場を知る看護師夫婦の熱意が込められています。この新たな試みにより、tatamamaの理念である「多胎児ママにやさしい街」を実現するための一環として、これまでの地域活動が医療支援として進化しました。特に男性看護師であり、多胎の父親でもある加藤俊太郎氏の視点は、長い間見落とされてきた父親へのアプローチを可能にします。
これからもtatacareは、多胎家庭の生活を支えるための体制を強化し、安心して子育てできる環境を福岡から広げていく意思を持っています。多胎家庭における子育て支援は、地域全体での連携が欠かせません。今後は、医療機関や行政、企業との連携を深め、より多くの家庭が安心して育児に取り組める社会を目指します。