北九州市の新組織「〇〇推し課」が目指す熱いまちづくり
2023年、北九州市は全国初の試みとして「〇〇推し課」を設立しました。この新しい組織は、地域の情熱をひとつの力に変え、誰かや何かを全力で応援したいという想いを都市経営に織り込むことを目的としています。
「推し熱量」の重要性
最近、多くの日本人が「推し活」を日常生活の一部として楽しんでいます。推し活とは、アニメやスポーツ、食文化、歴史など、特定の対象や人物を応援する活動を指します。今や、日本の人口の約4人に1人がこの推し活を行い、その経済規模は約4兆円に達していると言われています。しかし、我々が注目するのはその数字だけではありません。推し活が生み出す「誰かの成功を願い、応援する」という温かいエネルギーこそが、重要なのです。
人々が「好きなこと」を大切にすることで、自己のアイデンティティを見出し、心が満たされ、他人の幸せや成功を純粋に願うというポジティブなサイクルが生まれます。この流れをただの趣味や楽しみで終わらせず、地域のにぎわいや産業の活性化に繋げるための仕組みを構築することが、我々の目指す未来像です。
「〇〇推し課」のビジョン
街が「応援」に満ちる未来
北九州市を「世界で一番、情熱に優しい街」にアップデートしていくビジョンのもと、我々はさまざまな取り組みを進めています。イベント開催日、訪れた市民や観光客は街中が推しカラーに染まった様子を目にし、地元の飲食店では店主とファンが「推しの物語」を語り合う光景を楽しむことでしょう。このような体験は、まさに自己の「好き」を表現できる、リスペクトに満ちた交流を創出します。
「ものづくりの街」から「物語を創る街」へ
北九市は独自の「ものづくり」の文化を持ち、「鉄」で日本経済を支えた歴史があります。しかし未来は「物語」で人々を感動させる時代に向かっています。クリエイターたちが集い、路地裏や関門海峡を望むスタジオで新作コンテンツを生み出していく。そんなクリエイティブの聖地としての姿を世界に発信することが、我々の使命なのです。
3ステップのロードマップ
STEP 1:交流・滞在の仕掛けづくり (~1年)
最初のステップでは、ファンや観光客に「世界一優しい」体験を届けるための仕掛けを整えます。「推しデジタルマップ」を用意し、ファンが集まる「アフターミーティング」の場を公式に設け、存分に交流できる環境を提供します。
STEP 2:官民連携の拡大 (~3年)
次に地元の企業との協力を強め、推し商品を共同開発したり、空き家を活用してフォトスポットを整備したりすることで、地域経済を活性化するエコシステムを構築します。これにより、ファンの情熱が地元の元気の源となるのです。
STEP 3:“推し活経済”の創出 (~5年)
最後に、コンテンツ産業の誘致やクリエイター育成を進め、世界的に認知される「クリエイティブの聖地」を実現します。これにより新たな経済圏を生み出し、街全体が活性化される未来が目の前に見えてきます。
期待される未来
我々「〇〇推し課」の最終的な目的は、このような人々の熱い想いを一過性のブームで終わらせず、日常の風景として定着させることですが、行政の枠を超えて、地元企業や全国のファンと連携し、新しい「当たり前」を北九州市から発信していきます。
この街では、子どもたちが自分の好きなものを大切にし、地域がその価値を尊重する文化が育まれています。賑わいを生み、経済を回し、地域の活力を守る。そのすべての原動力は、各々の「情熱」に他なりません。推し熱量を都市の価値に変革するこの挑戦は、市民の皆さんの暮らしをより豊かにし、世界中から愛される「情熱に満ちた北九州市」を育む基盤となります。これからの進展にぜひご期待ください。