教育格差解消
2025-05-12 12:47:54

教師の成長から始まる教育格差解消の道のりと活動

教師の成長から始まる教育格差解消の道のり



福岡県北九州市に本部を置く認定NPO法人SALASUSUは、日本初の特異な教員養成法を基に、カンボジアでの教育の質改善に取り組んでいます。この活動は、教育の現場で大きな役割を果たす教師の成長を支え、教育格差の解消を目指しているのです。

日本発の教育手法でカンボジアの未来を支える



近年、日本において「個別最適な学び」が注目されています。特に、2017年に改訂された学習指導要領では、児童の理解度や特性に応じた指導が重要視されています。この理念を受けて、さまざまな授業改善が進められていますが、カンボジアにも同様のニーズがあります。多くの子どもたちが小学校を卒業しているものの、 世界銀行の統計によると、年齢にふさわしい読解力のある子どもはわずか10%のみというデータが示す通り、教育の質には大きな格差が存在しています。

SALASUSUは、そんなカンボジアの教育状況を改善するため、「SALASUSU実験校」を設立しました。ここでは公立校に通う小学生4~6年生が放課後に通い、従来の一方的な授業を見直し、子ども主体の協同学習を実践しています。

子ども一人一人に寄り添う授業の実現



この実験校では、異なる学力や理解度を持つ子どもたちが同じ教室で学び合います。教師は子どもたちの様子を観察し、必要に応じて適切な問いかけやサポートを行うことで、授業を柔軟に進めています。毎週行われる授業研究では、教師同士が互いの授業を評価し合い、子どもたちの変化に応じて授業内容を改善していくプロセスが確立されています。このように、実験校は「誰も取り残されない教室」を実現するための教師を育てる場として重要な役割を果たしています。

国際的な交流を通じてさらなる挑戦へ



SALASUSUは実験校の成功事例をカンボジア全土の公立校へ広げるための試みも進めています。日本の教師や教育専門家が現地で授業研究を行い、教師同士の交流を活発にしています。東京大学の荻巣崇世准教授などの専門家も参加し、教師たちと共に授業や教育理念を共有し合う「ラーニングジャーニー」を実施しています。また、逆にカンボジアの教師が日本のスクールシステムを体験するプログラムも計画中です。国を超えるこのような交流が教師の成長を促し、教育全体の可能性に新たな光を当てています。

クラウドファンディングで支援を呼びかける



SALASUSUはこの取り組みを一層広げるため、2023年5月12日からクラウドファンディングを開始しました。支援者からの協力により、実験校の運営、カンボジアにおける授業研究、教育専門家の派遣など、多岐にわたる活動に活用されます。目標金額は1,200万円で、2030年までにパートナー校を8校に拡大し、カンボジア全体の教育環境を改善する計画です。

自らの成長が子どもたちの未来に寄与する。そんな想いを持った教師たちとその支援を行うSALASUSUの挑戦は、今後も続きます。プロジェクトの詳細はぜひチェックしてみてください。


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