九州産業大学で進化する建築教育！生成AIと3D-CADの特別授業

福岡・九州産業大学では、建築都市工学部住居・インテリア学科において、最新のデジタルツールを駆使した特別授業が開催されます。この特別授業では、実務務型のカリキュラムが組まれ、3D-CADと生成AIが融合した教育が行われる予定です。まず、2025年12月4日から全7回にわたって実施されるこの授業は、今夏に実施された事前授業の成果を基に、さらに実践的な内容に進化しています。

実務視点を取り入れた教育プログラム

今回の特別講義は、学生が卒業後すぐに現場で即戦力として活躍できるように設計されています。従来の座学に加え、「実務の視点」や「最新技術への適応力」を育成することを目指します。特に、学生たちは、安心計画株式会社および株式会社Lib Workとの協力で開発された教材を使用し、住宅の意匠や構造、環境、設備に関する計画と設計、さらにはその性能評価方法までを総合的に学ぶことになります。

最終日には、実際のハウスメーカーであるLib Workの設計担当者が参加し、学生が作成したプランに対するフィードバックを行います。こうした実践的な体験を通じ、学生たちは理論だけでなく実際の現場での反応や要望にも耳を傾けられることで、より実践的な設計力を養うことができるでしょう。

生成AI導入の背景

技術が進化する中で、学生たちが直面する課題の一つが、CADソフトの扱いにかかる膨大な学習時間です。本授業では、「Walk in home」と呼ばれるユーザーに人気のある3D-CADを使用し、その操作を短期間で身につけることを想定しています。そして、生成AIは設計プロセスに新たな支援を提供します。この授業では、AIとの対話を通じて、学生たちはデジタル技術を最大限に活用し、効率的かつ質の高い設計案を作成することが求められます。

AIとの対話型設計

この特別授業の核は、「従来の設計プロセス」と「AI時代の設計プロセス」の実践的な比較になります。学生たちは最初、自らの知識と直感を駆使してプランを作成し、その後に生成AIと連携することで新たなアイデアや解決策を導き出します。こうした体験を通じて、学生は自力での思考とAIによる拡張の違いを実感し、どのようにAIの提案を自らの設計に取り込むかを学びます。

教育の意義と展望

この授業では、デジタル時代における「思考プロセス」の拡張が重要なテーマとされます。AIから適切な回答を得るためには、学生自身が問いを立てる力を養う必要があります。また、AIが提示する新しいアイデアは、学生の固定観念を打破し、クリティカルシンキングを強化する機会となります。

さらに、将来的には「AI協働型アーキテクト」としての新しい職能モデルを体験することが期待されます。AIは将来、単なるツールではなく、プロジェクトにおけるパートナーとなります。この特別授業で培った経験は、学生たちが社会に出た際に「高度な意思決定と感性的価値の創出」に注力するための基礎となるでしょう。

授業の流れ

この特別教育プログラムは、基礎技術の習得を図る前半の講義と、実務体験を重視した後半の実践ワークショップに分かれています。前半では、業界で広く利用されている「Walk in home」の集中講習を行い、後半では、実務の講義を受けた後、学生たち自身が施主の要望を基にしたプラン作成に挑戦します。実際の業界のプロからのフィードバックを受けることで、学生たちは理論的な知識を実務にどう結びつけるかを深く理解できるでしょう。

このようにして、九州産業大学の特別授業は、デジタル時代における建築設計の新たな可能性を拓くために、最新の教育手法を取り入れています。学生たちが未来の建築業界で成功を収めるための第一歩を踏み出す場であり、今後の展開が楽しみです。