航空機エンジン検査のデジタル変革を実現
航空業界において、エンジンの安全性と効率性を向上させるために、多くの取り組みが続けられています。この度、株式会社クレスコと日本航空(JAL)、JALエンジニアリング(JALEC)の協力により、新たに導入されたボアスコープ検査を支援するデジタルシステムが発表され、運用を開始しました。この新システムは、航空機のエンジン内部の状態をより効率的に把握し、整備品質の向上を目指しています。
ボアスコープ検査とは?
ボアスコープ検査は、航空機エンジン内部の目視検査を行うための方法で、特にタービンブレードなどの部品の状態をチェックする際に重要な役割を果たします。従来は人間の手による評価が主でしたが、今回導入されたシステムでは、動画から自動的に画像を抽出し、クラウド上で管理することが可能になりました。
システムの特徴
新システムの最大の特長は、検査時に撮影された動画データから、タービンブレード1枚ごとの画像を自動的に抽出し、それを一元管理できる点です。これにより、過去の検査データと比較しやすくなり、損傷を自動的に認識し、整備士に提示することが可能になります。この流れにより、整備士の作業効率が向上し、整備の質も高まることが期待されます。
経験の継承と若手育成
また、システムはベテラン整備士のノウハウを可視化することで、若手技術者への技術継承にも寄与します。このように、デジタル技術を活用することで、経験に基づく判断だけでなく、データに基づいた整備が実現されるのです。
予測整備の実現
さらに、システムは日々蓄積された検査画像データと運航中のエンジンデータを統合し、故障の兆候をいち早く察知することを目指しています。これにより、予測整備が可能となり、整備の必要性をデータで判断する新たなアプローチが導入されます。従来の定期保守や事後整備とは異なり、安全な運航のための基盤が構築されることとなります。
今後の展望
このシステムは、JALグループとクレスコが2019年から進めてきた共同研究の成果です。今後もJALECが中心となり、継続的なデータ分析を行い、整備計画の最適化を図ります。「ゼロゼロ100」を目指す理念のもと、航空機エンジンの安全運航に向け、デジタル技術を駆使したさらなる挑戦が続けられます。
両社のコメント
JALエンジニアリングの整備センター長である花井直人氏は、顧客に安心してフライトを利用していただくため、エンジンモニタリングの重要性を強調しました。また、クレスコの取締役常務執行役員である寺村孝幸氏は、デジタル技術の進展とシステムインテグレーターとしての専門性を融合させ、このプロジェクトに貢献できたことを誇りに思うと語っています。
このように、クレスコ、JAL、JALECの3社の連携を通じて、航空機エンジンの安全性と運航品質の向上に寄与する取り組みが懸命に進められています。