北九州市生物多様性戦略の新たな展開
北九州市は、国内外で高まる生物多様性への関心を受け、今までの戦略を見直し、新たに「アーバンネイチャー北九州」をテーマにした生物多様性戦略を改定しました。この取り組みは、都市部と自然環境の共生の重要性を再認識し、ネイチャーポジティブを実現するための具体的な方針を示しています。
アーバンネイチャー北九州とは
北九州市は、響灘、関門海峡、周防灘という三つの海に囲まれ、豊かな森林が広がる地域です。特に、曽根干潟や響灘ビオトープには希少な生きものが多く生息しており、その自然環境を「アーバンネイチャー北九州」として、新たなブランド化を図っています。このアプローチは、単なる環境保護にとどまらず、都市部における新しい暮らし方を提案するものです。
生物多様性戦略の成り立ち
改定された北九州市生物多様性戦略には、地域住民の声が生かされています。「アーバンネイチャーフォトコンテスト」で寄せられた市民の作品が戦略に盛り込まれ、地域の人々が関与する形での策定がなされています。また、デザイン性や読みやすさにも配慮されており、市民が楽しめる行政計画の創出に努めています。
ネイチャーポジティブセンターの設置
新たに設置される「ネイチャーポジティブセンター」は、10の公共施設を一体的に活用し、生物多様性保護のための活動を推進します。全国初の試みであり、地域の資源を最大限に引き出すことを目指しています。これにより、地域住民が参加しやすい環境が整えられ、その活動がさらに広がることが期待されています。
PR強化月間の実施
今後、令和7年6月にはアーバンネイチャーを盛り上げるためのPR強化月間が設けられ、各種イベントが展開されます。新設されるポータルサイトでは、イベント情報を確認できるほか、日本語だけでなく英語版も設け、さらに広範囲な情報発信を行う予定です。地域の自然を体験するイベントやフォトコンテストの写真展も開催され、楽しむことができる機会が増えます。
「ネイチャーポジティブ宣言」の実施
5月22日には、北九州市が「ネイチャーポジティブ宣言」を行い、未来に向けた具体的な行動を明らかにしました。これにより、様々なステークホルダーが協力し合い、環境保護に向けた実践が一層進められることが期待されます。
新しいロゴマークの作成
戦略をさらに推進するために、アーバンネイチャー北九州の象徴となるロゴマークも新たに作成されました。このロゴは、自然の回復と成長の想いを込めたデザインで、プロモーション活動にも活用されます。これにより、北九州市のブランド価値も向上し、より多くの人々に魅力を発信することが可能になります。
未来への展望
生物多様性戦略の改定により、北九州市は都市と自然が共存する「ネイチャーポジティブのグローバルモデル」の実現へと向かっています。この取り組みは、市民自らが自然を守り育てていくことにつながり、地域社会全体が一つになって自然環境を支える力となるでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。