高齢者見守りサービスの新たな取り組み
超高齢社会が進行する日本では、高齢者世帯の数が年々増加しています。このような状況に伴い、介護家族のニーズも多様化してきました。そこで、介護で悩む人々に向けたコミュニティ「安心介護」と、象印マホービンが共同で取り組んだ新しい見守りサービスについてご紹介します。
介護家族のニーズに応えるために
2000年には366万世帯だった高齢夫婦世帯が、2020年には約653万世帯に達しました。また、単独世帯も増加傾向にあり、介護家族は「離れて暮らす高齢者の安否確認」や「事故の備え」を求めています。このような背景の中で、見守りサービスが注目されています。
「安心介護」は、介護に関する質問を専門家に直接聞くことができる他、介護者同士が意見交換や悩みを共有できる場所として機能しています。このコミュニティは2009年から運営されており、介護のストレスや不安を軽減するための様々な情報を提供しています。
最近の調査結果では
2023年7月に行われた調査では、介護家族の約48.6%が見守りサービスに関心を示し、36.2%は見守りに関する悩みを抱えていることが明らかになりました。驚くべきことに、見守りサービスの実際の利用率はわずか5.0%というデータもあり、利用しない理由の一つに「見守りサービスの内容が分からない」ことが挙げられています。
この結果から、介護家族に対する教育と情報提供が求められていることが示唆されます。これを受けて安心介護では、見守りサービスの利用促進に向けたコンテンツを制作しています。
象印マホービンとの協働
象印マホービンが提供する「みまもりほっとライン」サービスは、通信機能を持った電気ポットを活用し、離れて暮らす親の安否を日常的に確認できる仕組みになっています。この取り組みは、安心介護の会員に向けて見守りサービスについての認知度を高めることを意図しています。
具体的には、ケアマネジャーの視点から見た見守りサービスの重要性や、日常的な生活における見守りの効果を紹介するコンテンツを展開しています。安全に見守る方法や、便利なレシピも提供され、日常生活に溶け込む形での活用が魅力です。
調査から得られた主な知見
1.
突発的な事故や急病の心配が多い:介護家族の約90%が、親の転倒や急病を心配しています。
2.
日常的な見守りのニーズ:特に「特に困っていなくても、日頃の安心感が欲しい時」が33.8%と回答され、見守りを日常的に行いたいという希望が上がっています。
3.
負担を軽減する形の重要性:見守りサービスは、負担が少なく自然に取り入れられることが重視されています。
4.
機器の簡単さが求められる:多くの人が、導入時には操作が簡単であることを求めています。
このような調査結果は、介護サービスの提供者がどのようにサポートすれば良いかの指針にもなり、今後の展開が非常に楽しみです。
今後の展望
安心介護は、介護に悩む家族の声を積極的に集めることで、より良いサービスや製品を生み出し、介護家族に寄り添った取り組みを続けていく予定です。また、象印マホービンも引き続き、認知度を高めるための活動に注力し、より多くの人にその利点を伝えていきます。
今後も安心介護と象印マホービンは、高齢者の見守りサービスを通じて、より安心安全な生活を提供できるよう努めていきます。高齢者への見守りがより身近で、利用しやすくなることを期待しています。