唐津小学校で行われたアップサイクル授業の新たな可能性
唐津市立大志小学校で、62名の5年生が参加したSDGs出前講座『Precious Plasticアップサイクル授業』が実施されました。今回は、よくあるプラスチックごみであるペットボトルキャップを利用して、ユニークなキーホルダー作りに挑戦しました。授業は、2024年の11月17日と25日に行われ、児童たちは手を動かすことでリサイクルの実情やアップサイクルの価値を実感しました。
ペットボトルキャップからの再生
この講座では、参加した児童たちが、自身で集めたペットボトルキャップを洗浄し、色分けを行い、それらを用いて亀やイルカをモチーフにしたキーホルダーを制作しました。初めは無造作に捨てられていたキャップが、児童たちの手を通じて新しい命を吹き込まれる様子を目の当たりにするのは、非常に感慨深いものでした。「そんなのが作れるなんて!」と驚きの声が上がる中、参加した子どもたちの目は輝き、楽しさを見いだしている様子が印象的でした。
知識を体験から深める
今回の授業の意義は、単なるものづくりに留まらず、環境問題に対する理解を深める機会ともなりました。児童たちは、リサイクルとアップサイクルの違い、プラスチック資源の循環、さらには海洋プラスチック問題についても学びました。これらは全て、実際に手を動かしながら学ぶことで、理解が深まったといいます。「これまでのごみのイメージが変わった。プラスチックは資源なんだ!」という声も多く聞かれ、学びの成果を感じる瞬間となりました。
海と未来を考える時間
アップサイクル体験の後には、関西万博で上映された『おとーしゃ』を観賞しました。作品を通じて、海といのちのつながりを感じることができ、最後にはデジタル波絵馬にそれぞれが海や未来への願いを書き込みました。「海をきれいにしたい」「プラスチックを減らしたい」といった思いが真剣に表現され、子どもたちの意識の高さにも驚かされました。
国際的な視点を取り入れて
この授業には、デンマークからのボランティアも参加し、国際的な視点から環境教育についてのディスカッションが行われました。海外ではまだアップサイクル教育があまり浸透していない地域も多く、唐津での取り組みは国際的にも注目される可能性があると感じました。
未来へ広がる循環型教育
今回の体験を通じて、児童たちには「自分たちが集めたキャップが、新しいものに生まれ変わる」という実感が育まれました。NPO法人唐津Farm&Foodはこれからも地域の学校と連携し、アップサイクルを軸とした環境教育の充実を図っていく方針です。地域から世界へと広がる唐津発の循環型教育の未来に期待が寄せられています。
このような取り組みは、ただの授業にとどまらず、持続可能な社会を築くための基盤となることが期待されます。子どもたちの目が輝くこの瞬間を、地域全体で見守り、支えていきたいものです。