北九州企業が宇宙へ進出！人工衛星搭載部品の製造を実現

北九州企業が宇宙へ進出！

北九州市の企業が製造した技術が、ついに宇宙へと飛び立つ運びとなりました。それは、宇宙望遠鏡に搭載される部品が、北九州市内の企業によって製造されたことが確認されたからです。宇宙産業への参入を目指す「北九州宇宙ビジネスネットワーク」が、このプロジェクトを後押ししています。これにより、市内企業の可能性が大きく広がることでしょう。

宇宙ビジネスネットワークの設立

北九州市は、今後の成長が期待される宇宙市場に目を向け、「北九州宇宙ビジネスネットワーク」を設立しました。このネットワークは、宇宙関連の企業が集まり、共同でビジネスや技術の開発を進めるためのプラットフォームです。特に、技術力が高い市内企業を中心に、宇宙産業振興に向けての交流や情報交換を重視しています。地域の企業が一体となって新たな市場に挑戦する姿勢は、福岡まで響き渡るでしょう。

宇宙望遠鏡の構成と製造企業

今回、北九州の企業が手掛けた部品は、人工衛星の望遠鏡部分に使用されるという大変名誉ある役割を果たします。この部品の開発には、黒崎播磨株式会社と戸畑製作所が参加しています。

黒崎播磨株式会社

こちらは、低熱膨張セラミックス製品「NEXCERA®」を開発しており、過去にはJAXAの研究者の目に留まった経緯があります。以前から衛星に使用されることもあった同社の製品ですが、今回のプロジェクトに参加できることは大きな意味を持っています。この部品が宇宙へ旅立つことは、企業にとっての大きな節目となります。

戸畑製作所

一方、戸畑製作所では、マグネシウムという軽量な金属材料を活用した製品を宇宙素材として提案してきました。この度、同社が開発した難燃性マグネシウム合金が、宇宙望遠鏡の鏡筒に使用されることが決まりました。この新しい技術の応用により、さらなる分野への展開が期待されます。

第69回宇宙科学技術連合講演会への出展

このプロジェクトの一環として、北九州宇宙ビジネスネットワークのブースが、11月25日から28日まで北海道の札幌市で開催される「第69回宇宙科学技術連合講演会」に出展します。ここでは、製造にかかわった企業がサンプルを使って、プロジェクトについて紹介します。宇宙ビジネスネットワークの活動を通じて、北九州の企業が宇宙産業において新たな一歩を踏み出す様子を、ぜひ取材してみてください。

宇宙望遠鏡の搭載衛星と打上げ計画

搭載される衛星は「TATARA-1R」と名付けられており、京都府のテラスペースが開発した70キロ級の超小型衛星です。この衛星は、依頼された宇宙用部品の実証実験を実施するために設計されています。打上げ予定のロケットは、カイロスロケット3号機で、和歌山県からの打上げが計画されていますが、具体的な時期はまだ未定です。