福岡で進化する民泊事業、その新たな挑戦とは?

福岡市に拠点を置くアルマデグループが、民泊事業の新たなフェーズへ突入した。これまでの事業運営体制を再構築し、営業部門と管理部門の2つに分かれた新しい体制を導入することで、より専門的に対応することを目指している。

迫る宿泊ニーズの変化

2024年には、訪日観光客の数が過去最高を記録し、福岡の観光業はますます盛り上がりを見せる見込みだ。特に福岡空港がある福岡県は「アジアの玄関口」と称され、多くの外国人旅行者を迎える重要な役割を果たしている。2023年には外国人観光客数が前年比で約7倍に達し、福岡の宿泊需要は年々高まる一方だ。

この宿泊需要の急増は、既存のホテルや旅館だけでは対応しきれず、新たな宿泊形態として民泊の重要性が高まっている。そのため、民泊事業の受け皿を強化する必要がある。

組織の再編と人員増強

アルマデグループでは、民泊事業を効率的に運営するために、専門的な知識を持つスタッフを増員。これにより、民泊物件ごとの収益性や稼働率、適法性について細かく対応できる体制を整えた。従来は一体運営だった民泊部門を明確に営業と管理の2部門に分けて、各部門の役割を明確化した。

法務の強化と無料セミナーの実施

民泊を運営する上で避けられないのが法務面での課題だ。旅館業法や住宅宿泊事業法、建築基準法など、多くの規制があり、それに対応するためには高度な知識が求められる。同グループでは内部に行政書士事務所を設置し、法務手続きを内製化することに成功。これにより、違法リスクゼロを掲げ、迅速かつ合法的な民泊運営を実現。

また、不動産オーナーや税理士、金融機関に向けた無料セミナーを定期的に開催し、法制度の理解を深めてもらう取り組みも進めている。これは、民泊に関する誤解や不安を取り除くための重要な施策だ。

総合不動産グループとしての強み

アルマデグループの特徴は、民泊事業だけでなく、建築や売買、賃貸業務も行っている点だ。これにより、各部門が連携し、最も収益性の高い活用方法を一貫して提案できる体制が整っている。オーナーが「民泊が本当に最適なのか」を判断する際も、豊富な情報を基にしたアドバイスができる。

しかし、未だに「民泊＝リスクが高い」とのイメージが強く、運営をためらう事業者も多い。非常に複雑な法制度に対する知識不足や、違法運営への懸念がその要因だ。アルマデグループはこのような業界の課題に対し、無料セミナーや情報発信を通じて、正しい理解を促進している。

グループの未来と代表の想い

代表の本田幸一郎氏は、コロナ前から民泊事業に取り組んでおり、多くの実績を積み重ねてきた。「企画、運営、法務をすべて社内で完結させることができる体制が私たちの強みだ」と語る。

今後も、民泊だけでなく、総合的な不動産活用の提案に注力し、顧客にとって信頼できるパートナーとして活動していく。グループの総力を活かし、安心して任せていただける不動産のプロとして成長していくことが目標だ。