福岡発!オフィスの緑が生み出す新たなコミュニケーションの風潮
近年、ビジネス環境が変化する中で、働く場所の雰囲気や社員同士のコミュニケーションの質がますます重要視されています。そんな中、福岡を拠点とする株式会社ジオクリエイツと、農園芸に革新をもたらすwelzoが共同で行った実証実験が話題になっています。このプロジェクトの狙いは、オフィス内での園芸活動が社員間のコミュニケーションをどのように向上させるのかを明らかにすることです。
実証実験の背景
本プロジェクトは、福岡地域戦略推進協議会(FDC)の「産業創造部会」によるもので、西部ガスホールディングスの協力を得て、実施されました。ここでは、自由に席を選べるフリーアドレス制を導入している西部ガス内で、特に異なる部署同士のコミュニケーションが不足しているという課題を認識しました。
仮説と検証方法
研究チームは以下のような仮説を立てました。まず、オフィスの各部屋に適した植物を配置し、それを社員が世話することで自然と交流が生まれ、イノベーティブな組織文化が形成されるのではないかという点です。
また、共通の活動として、部署横断で育てられる収穫可能な野菜を育てることで、部署間のコミュニケーションの活性化にもつながるはずです。
実証実験では、約30名の社員を対象に、観葉植物がある場合と、実際に手をかける植物がある場合でコミュニケーションの質や量の違いを比較しました。
結果
実験の結果、緑を世話する環境が提供された際に、社員の感じるオフィスの雰囲気が大きく改善されたことが示されました。具体的には、楽しい、落ち着ける、心地よいと感じる社員の割合が大幅に増加しました。また、自由なコミュニケーションが促され、特に執務スペースでの会話の件数が大きく向上したとのことです。
このプロジェクトの推進役である西部ガスホールディングスの今長谷大助氏は、「コミュニケーションが目に見える形で活性化しているのを感じました」と実感を述べており、宮本晃氏も「データで示されたことが、社内の雰囲気の向上に寄与している。」と語っています。
取り組みの意義
この取り組みは、オフィス空間の作り方や、社員同士の相互作用の在り方そのものに影響を与える可能性があります。緑が身近にあることで、視覚的な刺激が増し、落ち着きをもたらし、集中力が高まることが実証されています。
今後の展望
welzoとジオクリエイツは、本実験の成果をもとに、さらなる研究と開発を進め、さまざまな空間においてWell-beingを推進するための施策を展開していく計画です。オフィス環境の改善を通じて、より創造的で効率的な労働環境を提供し、人々の生活をより豊かにすることが目指されます。
結論
最終的に、オフィス環境における緑の存在が、社員間のコミュニケーションを活性化し、集中力や生産性の向上につながる可能性を秘めていることが確認されました。これからのオフィス設計には、こうした要素が欠かせないといえるでしょう。社員が心地よく感じられるスペースを作り出すことで、組織全体の成長を促進する新たなタネが蒔かれたのです。