イマジンワンワールド、東京高裁で勝訴
11月15日、いよいよ「きものの日」を迎える中で、一般社団法人イマジンワンワールドが重要な裁判の勝訴を報告しました。この裁判は、前代表理事の高倉慶応が経営する福岡の呉服店「きもの蝶屋」に対して、不正な取引を巡るものです。東京高等裁判所は、イマジンワンワールドに対して332万2,966円と延滞金の支払いを命じ、逆転勝訴が決定しました。
事件の背景
この事件は、高倉がイマジンワンワールドの代表理事であった2014年から2019年にかけての不適切な経営行動から始まりました。高倉は、自身が経営する蝶屋から240枚の襦袢を仕入れましたが、その取引は理事会の決議を得ることなく行われていました。更には、その襦袢は名目上長襦袢とされていたものの、実際には半襦袢であり、正しく管理されていない商品でした。また、他の業者からの相見積もりすら取らず、一方的に蝶屋との取引を進めたことが問題視されていました。
加えて、2019年には寄付金の口座から高倉が無断で3,700万円を引き出した横領行為が発覚しました。これを受けて、高倉は理事を解任され、彼に代わって手嶋信道が新たな代表理事に選任されました。
新たな体制と再監査
新しいリーダーシップの下、手嶋は高倉の責任を追及するための準備を進めましたが、そこで新たなトラブルが発生しました。高倉の元部下である自称理事の八子由理子が、イマジンワンワールドの運営を乗っ取ろうとしていたのです。手嶋は法的手続きを通じてこの不正行為を阻止し、八子は解任されました。この一連の出来事は、イマジンワンワールドが透明性を重視し、信頼の回復に努めていることの証でもあります。
東京高裁の判断
東京高裁は、高倉による違法な取引を認定し、蝶屋に対する損害賠償を命じました。しかし、この判決は限定的なものであり、今後最高裁判所への上告も視野に入れています。イマジンワンワールドとしては、過去の不正行為をただし、信頼を回復するために、引き続き法的手段を講じていく意向です。
本件の意義と今後の取り組み
この判決は、イマジンワンワールドが過去の不正を正すために司法に訴えたことを意味します。法令に則った誠実な対応が評価されたことは、今後の法人運営の健全性を確保するための重要なステップです。
また、この事件は、組織内の適正な体制を構築するために必要な教訓を与えました。今後も必要な調査と適切な対応を継続し、透明性と説明責任を重視して運営を行います。
KIMONO PROJECTについて
イマジンワンワールドは、着物文化を世界に広める「KIMONO PROJECT」を進めています。このプロジェクトは、世界各国の文化や歴史を基にした213着の着物を制作するもので、各国の大使館との協力に基づいています。全ての制作資金は寄付によって賄われ、プロジェクトのメンバーは全員ボランティアで活動しています。
この活動を通じて、異なる文化に対する理解を深め、世界の人々を結ぶ架け橋としての役割を果たすことを目指しています。イマジンワンワールドは、この思いを新たなスタートとして着物文化の未来を支え続けていくのです。