広島の高校生が平和への願いを込めたトロフィー、駅伝大会を彩る

広島の高校生がデザインしたトロフィー

2025年1月19日に開催される「天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会」。この大会のメインスポンサーを務める株式会社大創産業が、平和を祈る象徴として広島市立基町高等学校の生徒たちに依頼したトロフィー制作が話題になっています。ミッションは、平和記念公園の折り鶴を活用し、次世代に平和の重要性を伝えるというものです。

トロフィーのデザインと制作

生徒たちが手がけたトロフィーは、平和を象徴する「鶴」と平和の願いを託けた「たすき」のモチーフが特徴です。また、開催地である広島を意識し、縁起の良いとされる「錦鯉」の模様も取り入れています。これらのトロフィーは、平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴を再利用したものです。これは広島市が推進する「折り鶴に託された思いを昇華させるための方策」の一環であり、世界中から送られた折り鶴を活用することで、再び平和のメッセージを世界に届けることを目指しています。

生徒たちはトロフィーに込められた意味を強く感じており、「選手の皆さんの逞しさと走る姿をイメージしながらトロフィーを制作しました。私たちの平和への思いをしっかりとつなげたいです」と考えています。このような思いが乗ったトロフィーは、大会の象徴となり、選手たちに勇気と希望を与えることでしょう。

大創産業の取り組み

大創産業は、2015年から「天皇盃全国男子駅伝」のメインスポンサーを続けています。特別協賛社賞を授与するなど、スポーツの振興だけでなく、広島から平和メッセージを国内外に発信する使命感を持っているのです。このトロフィーのアイディアは2019年に生まれ、以来毎年生徒たちの手で新しい作品が作られています。過去2年は新型コロナウイルスの影響で大会が中止されましたが、今年の表彰式には制作に関わった高校生たちも出席する予定です。

広島市立基町高等学校普通科創造表現コースの学生たち

このトロフィーの制作を行ったのは、1999年に設立された広島市立基町高等学校の普通科創造表現コースの生徒たちです。このコースは、表現活動を通じて個性を磨き、芸術文化を発信する力を育むことを目指しています。多くの生徒が芸術大学を目指しており、専門的な技術とともに学業においても高いレベルを維持しています。

まとめ

高校生たちが精魂を込めて制作したトロフィーは、ただの賞品を超え、平和への深い思いが詰まった作品です。彼らの創造力によって生み出されたこのトロフィーは、「天皇盃全国男子駅伝」の成功をさらに彩ることになるでしょう。地元の体育大会が発信する平和のメッセージと、地域の若者たちの未来への希望が重なる、そんな素晴らしい体験が待っています。