調査で浮き彫りになった福岡の企業が抱える人材育成の現状と課題

2025年10月28日から31日にかけてマリンメッセ福岡で開催された「DXPO福岡'25」において、株式会社イマジナが554名の経営者や管理職を対象に実施したアンケート調査が、福岡の企業が抱える人材育成の現状と課題を浮き彫りにしました。調査結果によると、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを推進する中で、OJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）の属人化や採用後のフォロー不足など、組織の基盤を揺るがす問題が顕著です。

調査結果の概要

1. 採用後のフォロー不足が最大の課題
アンケートにおいて、最も多くの回答を集めたのは「採用後のフォローが不十分」というもので、29.4%の支持を得ました。この結果は、若手社員の定着率にも大きく影響を与えていると考えられます。さらに、OJTの指導方法が個々の管理職のスキルやリソースに依存している実態も明らかになりました。

2. 人間力育成の重要性
「内定者や若手社員の育成にどのような外部支援が欲しいか」という質問には、『感謝』や『学ぶ姿勢』を高める教育が31.6%の票を集めました。これによって、若手社員の離職やモチベーション低下の要因として上司やチームとの関係性が大きな役割を果たしていることが示されました。

3. 営業成果を左右するヒアリング力
営業活動に関する質問では、必要とされる能力として「ヒアリング力」が圧倒的に重要視されました。顧客のニーズを的確に把握する力が、営業の成果に直結するという認識が広がっています。

4. 理念浸透の問題
企業理念の浸透についても調査されました。「理念を浸透させるために何が必要か？」という問いに対し、経営者や管理職が理念の重要性を認識している一方で、実際の業務においてその理念が使われていない現状が浮き彫りになりました。

企業からのコメント

この調査結果に対し、代表取締役社長の関野吉記は、「デジタル化やAIが普及する中、最も求められているのは人間力である」と強調しました。また、組織課題に対しては教育と仕組みの両面からアプローチする必要性を訴えています。特にOJTの属人化や採用後のフォロー不足などの問題は、教育の機会を奪っているとし、継続的な企業成長に向けた支援が求められると話しています。