有機JASとHACCPを実現した佐賀のがばい農園の挑戦
佐賀県佐賀市に位置する
がばい農園は、国際基準の衛生管理システムHACCPにおいて最高得点の97点を達成した、小規模ながらも高品質なお茶製造工場です。国産素材を用いた健康茶ブランドとして、長年の実績とともに安全性と安心感を提供しています。
HACCP義務化の現状
2021年、東京オリンピックを契機に日本の食品業界ではHACCPの導入が義務化されました。多くの企業が急速にHACCPを取得しましたが、最近では運用が形骸化し、単に取得するだけの企業が増えてきています。厚生労働省の発表によれば、HACCP義務化後にも衛生管理に不備のある食品リコールは年700件前後と、企業の実態が問われる状況です。
がばい農園は2017年に自主的にHACCPを取得し、これまでに8年連続で更新。相次ぐ更新を経て、今年ついに97点を獲得しました。この結果は、工場全体の衛生意識の向上、教育体制の整備および厳格な記録の運用が結実したものと言えるでしょう。
実現した「世界基準」
がばい農園の工場は、わずか十名のスタッフで運営されていますが、そのすべての製造工程を自社で一貫して管理。ここでは、従業員全員が衛生教育を受け、温湿度の管理や異物混入のチェックなどが日次で行われています。 HACCの評価員からは「現場で実際に機能しているHACCP」として高い評価を受けました。
大企業が持つイメージとは異なり、小規模企業であっても持続可能に高水準を維持することができることを証明していると言えるでしょう。
消費者に求められる「安心」
近年、食の安全に対する消費者のニーズは「安全」から「安心」へと移行しています。特に健康茶市場では、商品の製造背景や生産者の姿勢が重要視されています。がばい農園はすべての製造記録を保管し、トレーサビリティを徹底して開示。さらに、2025年から始まる食品接触包装材の新制度にも対応しています。
製造現場からの声
工場の平均年齢は50代。経験豊富なスタッフが衛生管理と製造に取り組んでいます。「誰かが飲むお茶を作っている」との意識が、製造のクオリティを高めています。「自然と手を抜けない」と語る製造スタッフの言葉には、がばい農園の哲学が反映されています。
今後の展開
がばい農園では、高得点を獲得したことを契機にさらなる活動を展開する計画を立てています。国産素材を活かした健康茶を、海外市場へ積極的に展開するほか、地元の教育機関への衛生教育プログラムを提供し、中小企業のHACCP運用支援にも乗り出す予定です。
「HACCPは現場文化」との理念のもと、他の工場への指導も視野に入れた活動を行います。地域から世界へ、安全で安心な健康茶を届けるこの挑戦は、一層の注目を集めることでしょう。
取材案内
報道関係者向けに、がばい農園の工場内の見学や製品撮影、代表取締役のインタビューを受け付けています。事前予約が必要ですが、感染対策を講じた上で実施されます。
会社情報
- - 会社名: がばい農園株式会社
- - 所在地: 〒840-2102 佐賀市諸富町大字為重390-10
- - 事業内容: 健康茶・粉末茶の製造販売、HACCP認証工場運営
- - 公式サイト: がばい農園公式サイト
健康と味わいを両立させているがばい農園の活動は、消費者に安心を届ける重要な取り組みです。