営業部門におけるデータ活用の実態とその改善に向けた試み

株式会社キーウォーカーは、営業職や営業マネージャー、営業企画職を対象に「営業部門におけるデータ活用の実態・課題・ツール導入状況」に関する調査を行いました。この調査は、営業活動におけるデータの重要性とその実際の活用状況を明らかにすることを目的にしています。調査対象は1,004名で、実施期間は2025年5月30日から6月2日まで。調査手法にはインターネットを介したPRIZMAを使用しました。

データ活用の現状

調査の結果、営業活動におけるデータの活用状況については興味深い数値が示されました。「定期的に分析・活用している」と答えたのは26.1％にとどまり、「一部業務でデータ活用しているが属人的」との回答は21.3％でした。データを十分に活用できていると感じている方は21.2％、使用していないとする方は31.4％という結果になりました。約半数の営業部門がデータを利用しきれていないということが明らかになり、特にKPIの可視化やリアルタイムなデータ共有システムが未整備の企業が多いことが浮き彫りになっています。

日常的に見られているデータとは

営業部門において、日常的に確認されているデータは『売上（47.8％）』が最も多く、『案件数（42.2％）』『目標達成率（34.8％）』が続きました。短期的なデータへの関心は強いものの、顧客価値や中長期指標は後回しにされる傾向が見られます。持続的な業績向上には顧客理解や戦略の視点が欠かせませんが、現状では目の前の業績を追求するあまり、視点が偏ってしまっているようです。

データ活用の壁

次に、データ活用にはどのような障害が存在するかを探りました。「データを収集しても分析に繋がらない」との回答が28.1％と最も多く、次いで「現場のリテラシーの差があり使いこなせない（21.9％）」や「抽出・加工できない（20.5％）」も上位に挙がりました。つまり、データは集められているものの、それを分析し具体的な行動に繋げる環境や仕組みが十分整備されていないことが分かります。

外部支援のニーズ

データ可視化を進めるにあたり、どのような外部支援が求められているのかも調査しました。「売上向上や業績改善につながる支援」が37.7％の支持を受けました。次いで「システムやデータ基盤連携の技術支援（26.8％）」や「活用定着を伴走する支援（23.4％）」が挙げられています。営業現場が求めているのは、単なる導入支援に留まらず、具体的な成果に結びつく支援であることが伺えます。

今後のデータ可視化のあり方

営業部門におけるデータ可視化は今後どう変化すべきか？調査に対する回答では、「マネジメントの意思決定スピードを高めるツールとして進化すべき（35.4％）」「可視化だけでなく次に何をすべきか示唆が必要（34.1％）」「営業担当者が自ら必要なデータをダッシュボードで確認・活用できるような仕組みにすべき（33.4％）」が挙げられました。単なる「見える化」ではなく、「行動につなげるための仕組み」が必要とされています。

まとめ

今回の調査で明らかになったのは、営業部門におけるデータ活用は進んでいるものの、多くの課題が残されているということです。データの可視化や収集は進んでいますが、成果につながるところまで達している企業はまだ少数です。目の前の業績データに偏りがちで、中長期的なデータ活用がなされていない現状では、次のアクションを示す仕組みが必要とされます。データの活用を促進し、営業活動における改善を実現するためには、具体的な外部支援と営業担当者自身が活用できる環境整備が不可欠です。

詳細な調査データはホワイトペーパーとして公開されています。興味がある方はぜひダウンロードしてみてください。