ライドシェアに対する意識調査：高所得者ほど前向き？

近年、ライドシェアという新たな移動手段の導入が検討されており、政府も環境整備に乗り出しています。このサービスに対して一般消費者がどのような期待や心配を抱いているのかを調査するため、株式会社フォーイットが500人の男女を対象に行った意識調査の結果をお届けします。

調査概要

この調査は2025年2月14日に実施され、20歳から69歳までの男女500人を対象としたネットリサーチです。対象者には「ライドシェアが実用化された場合に利用したいと思うか？」という質問が投げかけられました。それに対する選択肢は、積極的に使いたいと考えるか、安全性が確認できた場合に利用したいのか、料金に敏感であり利用意向が分かれるのか、様々です。

調査結果の概要

結果として、最も多かった回答は「あまり利用したくない」で22.0%でした。次いで「料金次第で利用を検討する」と「わからない」がそれぞれ15.8%という結果でした。一方で、全体の31.4%が「利用したい」とポジティブに考えていることも分かりました。特に、性別による違いも見られ、男性が積極的な意見を寄せる中、女性は慎重な姿勢が目立ちました。

性別による意識の違い

性別で見ると、男性の方がライドシェアを利用したいという声が多い一方、女性は「絶対に利用したくない」との回答が相対的に多く見られました。これは「知らない人の車に乗る」という行為に対する心理的な負担が影響していると考えられます。女性の場合、犯罪やセクハラのリスクを考慮している人が多いため、安全性が確認されることが前提でない限り、利用したくないという意見が強いようです。

一方で「安全性が確認できれば」との意見も13.6%存在しており、安心感が得られることで女性の利用意向も高まるかもしれません。

既婚者の積極的な意向と子連れの利用

未婚と既婚別で見ると、既婚者があらゆる利用意向に対してプラスの回答を寄せていることが明らかになりました。特に家族での利用や子どもの送迎を考えると、自家用車の必要が薄れたり、ライドシェアの利便性を享受できることが多いと推測されます。大都市に住む家庭では、公共機関との提携サービスが整うことで、さらに安心して利用できるのではないでしょうか。

高所得者層の前向きな姿勢

また、世帯年収によっても顕著な差が見られました。年収が501万円以下の層は慎重な回答が多い一方、年収1,001万円以上の層では16.7%が「積極的に利用したい」と考えているとのことです。この層は移動時間の短縮や新しい体験に対して、支出を気にせず投資できる傾向にあるのかもしれません。全体としても、ライドシェアが新たなサービスとして注目を集めていることが確認されました。

未来への期待

ライドシェアは日本でも各地で解禁が進んでおり、タクシー業界の人手不足や利便性の向上に寄与する可能性が指摘されています。ただし、利用者の心理的なハードルは依然として高いのが現状であるため、安全性やサービスの質が今後の鍵となるでしょう。

ライドシェアが進化するにつれ、新たな市場への影響が期待されます。利用者のニーズに応えたサービスが整っていけば、より多くの人々がそのメリットを享受できる日も近いかもしれません。