春季日本歯周病学会で若手研究者が受賞した成果とは

第68回春季日本歯周病学会でのYoung Investigator Award受賞者発表

2025年5月23日、沖縄の那覇文化芸術劇場なはーとにて、第68回春季日本歯周病学会学術大会が開催され、サンスター株式会社が協賛する若手研究者向けのYoung Investigator Award（SUNSTAR Award）の受賞者が発表されました。本賞は、学術大会で卓越した研究を発表した若手研究者を表彰するもので、今年で10回目の授与となりました。

受賞者の紹介

令和6（2024）年度の受賞者には、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野の久保田萌可（くぼたもゆか）氏、そして九州大学大学院歯学研究院歯周病学分野の佐藤晃平（さとうこうへい）氏の2名が選ばれました。二人は、日本歯周病学会理事長の吉成伸夫（よしなりのぶお）氏からYoung Investigator Awardの盾を、サンスターグループ執行役員の吉村孝志（よしむらたかし）氏から副賞としてペンと賞金を受け取りました。

久保田萌可氏の受賞演題

久保田氏の研究テーマは「歯周炎症が血糖値の日内変動に及ぼす影響」であり、マウスを用いた実験により、歯周炎の進行がインスリン抵抗性を高め、血糖値の日内変動を乱すことを確認しました。この結果は、歯周病が糖尿病患者の日常的な糖代謝に悪影響を及ぼす可能性を示唆しており、今後も研究を進め、社会的意義のある成果を出すことに意欲を表明しました。

佐藤晃平氏の受賞演題

佐藤氏の研究テーマは、「実験的歯周炎は、メサンギウム細胞のHPGDS発現亢進により糸球体線維化を促進することで、KK-Ayマウスの糖尿病性腎症を憎悪させる」です。この研究では、歯周炎が糖尿病性腎症の悪化にどのように関与するかを解明するため、2型糖尿病モデルマウスを用いて検討を行いました。研究内容により、糸球体における線維化や炎症関連遺伝子の発現が有意に増えていることが示され、将来的には新たな治療法に繋がる可能性も秘めています。

サンスターの取り組み

サンスターは、2015年に日本歯周病学会と共に若手研究者を支援するYoung Investigator Awardを設立し、以降も毎年受賞者を発表しています。これにより歯周病に関する研究が一層進展することが期待されています。また、本賞には、長年にわたり優れた研究や教育、臨床業績を持つ研究者を表彰する学会賞もあり、サンスターが日本歯周病学会の発展に寄与しています。

国や自治体を越えて、歯周病の研究が持つ重要性を広く認知させるため、サンスターは今後も引き続き、若手研究者を応援する活動を行っていく予定です。若手の育成が未来の歯周病治療や予防に繋がると信じ、研究する姿勢を応援してまいります。学術大会に参加することは、研究者同士の交流や新しい知識の発見にもつながる貴重な機会ですので、今後も多くの若手研究者が参加し、成果を発表することが期待されます。