人手不足を感じる瞬間—業務負担の実態とその影響

少子高齢化や働き方改革の影響により、人手不足がさまざまな業界で深刻化しています。株式会社フォーイットが実施した全国500人を対象とした調査では、業務負担の増加やそれに伴う働き方の実態が明らかになりました。本稿では、その調査結果をもとに、業務負担がどのように変化してきたのか考察します。

調査の背景

近年、企業や地域の多くで人手不足の問題が浮上しています。この現象の背景には、人口の減少や高齢化、そして働き方改革が影響していると考えられます。労働力が不足することで、業務が増えたり、質が低下したりする問題が顕在化しているのです。そこで、私たちは「どのような時に人手不足を感じるか？」というアンケートを実施しました。

調査概要

- 対象者：20歳から69歳の男女500人
- 居住地：全国
- 調査方法：ネットリサーチ
- 実施日：2025年4月18日

調査結果：業務負担の実態

アンケートの結果、人手不足を感じる瞬間として最も多かった回答は「業務量が増えた」で、46.0％という結果でした。次いで「休みが取りづらい」が31.6％、そして「残業が増えた」が20.4％と続きました。このことから、多くの人が業務の増加を最も強く感じていることがわかります。

年代別の傾向

年代別に見ると、特に20代の回答者の50％以上が「業務量が増えた」と感じています。また、30代では「休みが取りづらい」と「残業が増えた」との回答が際立っています。この年代は、職場における役割や責任が変わることで、休暇を取ることが難しくなりやすいのかもしれません。また、採用の難しさが数年続いているため、若手人材を十分に確保できないことが、業務負担の増加に繋がっていると考えられます。

職業別の動向

職業に関わらず、「業務量が増えた」と感じる割合が高いことも調査で明らかとなりました。特に会社員や自営業、アルバイトの方々は約50％が業務の増加を報告しています。また、会社員・公務員の中にも「業務が属人化している」と感じる方が約30％おり、業務体制が固定化することによる影響も伺えます。

年収別で見る人手不足

世帯年収別で見ると、低所得層は「業務量が増えた」や「休みが取りづらい」といった回答が上位を占めています。一方で高所得層は、組織全体のような視点で「業務が属人化している」とか「離職率が上がった」という回答が増えています。経営層や管理職は、自身の業務だけでなく、組織全体の人手不足の影響を意識しているようです。