福岡発の革新技術『柔軟指』の導入
福岡市に本社を持つリックス株式会社は、北九州市のKiQ Roboticsと共同で開発したロボットハンドツール『柔軟指』を、自動車部品の製造を行うボッシュに導入することになりました。これは、リックスにとって初の導入事例であり、今後の技術革新へ向けた大きな一歩とも言えます。
導入の背景
自動車部品を製造するボッシュでは、生産ラインにおいて高品質を維持しつつ、加工対象物である金属ワークに傷が付く危険性について常に懸念がありました。これまで手動で行っていた工程では、わずかなズレで部品が破棄されるリスクが高く、そのため品質管理が非常に重要とされていました。柔軟指の導入により、このリスクを未然に防ぐことが依頼された理由です。
導入までの流れ
具体的には、2024年12月から9種類の工程に柔軟指が導入され、さらに2025年6月には追加の51工程にも導入が始まります。将来的には、ボッシュの他の工場でも柔軟指の導入を検討しているとのことです。
『柔軟指』の特長
柔軟指は、3Dプリンターを用いて作られたラティス構造の樹脂を使用しているため、非常に軽量で柔軟性に富んでいます。この特性により、ロボットに取り付けた柔軟指が、対象物を柔らかく包み込むことでしっかりと安定して掴むことができます。また、傷つけることなく掴む能力により、製品の品質を向上させつつ、廃棄物の削減にも貢献します。
今後の展望
『柔軟指』は2025年7月2日から4日まで開催される「ロボット産業マッチングフェア北九州2025」に出展予定です。この場で、実際のデモ機を通じてその性能を体験できる機会も用意されていますので、多くの方にご覧いただきたいと考えています。
企業紹介
リックス株式会社は、1907年に創業し、鉄鋼、自動車、電子・半導体、環境など幅広い業界に向けて産業機械や部品・サービスを提供しています。本社は福岡市博多区にあり、産業界の発展を支える重要な存在です。
『柔軟指』の導入は、福岡から生まれた新たな産業技術が自動車部品業界に新風をもたらすことを期待させます。今後の展開に注目が集まりそうです。