神戸市における下水道管調査と最新技術の導入
先日、神戸市で行われた下水道管調査に、株式会社Liberawareが開発したドローン「IBIS2」が活用されました。この調査は、およそ600メートルに及ぶ下水道管を対象としており、無人での調査が実施されました。これにより、従来の調査方法では難しかったエリアの点検が可能になりました。
調査の背景
国土交通省のデータによると、日本の下水道管の総延長は約50万キロメートルにも及び、その多くが耐用年数を過ぎていることが報告されています。特に、2025年度には膨大な数の下水道管が老朽化すると予測されており、安全な社会を維持するための点検体制の強化が不可欠です。
最近では、埼玉県での下水道管による道路陥没事故を受けて、全国の流域管理者に対する緊急点検が要請されました。このような背景から、神戸市では新たな点検手法としてドローンを導入し、より安全で効率的なインフラ維持管理を目指しています。
IBIS2による下水道調査の実施
「IBIS2」を使用した調査は、非常に特殊な条件下で行われました。口径1,800ミリメートル、水位約50センチの汚水管内において、作業員の立ち入りを避けながらドローンを飛行させ、撮影した映像をもとに管道の状態を調査しました。降雨のあった当日でも、この手法により1日で約600メートルの調査が成功しました。
この成績は、従来の目視検査や自走式カメラによる調査結果を基にしたもので、異常判別が可能な調査手法の新たなモデルとなったことが評価されています。
調査プロセスと参加者
今回の調査は、神戸市が発注者として課題を提示し、大幸道路管理株式会社の協力がありました。大幸道路管理は現場支援を行い、リベラウェアはドローンの開発とオペレーションを担当しました。この連携により、異常検知を行った調査結果を神戸市へ提出します。
新たな活用事例の創出
今回の下水道調査は、IBISの運用が進む中での重要な一環と位置付けられます。国や自治体が直面する老朽化問題に対し、ドローンによる点検は安全性、効率性、コスト削減を同時に実現する新技術として注目されています。
また、これらの実績が積み重なる中で、IBISの運用フローや点検精度、データの再現性が評価され、いずれはドローン活用のガイドラインや制度化へと繋がることが期待されます。日本全体のインフラ点検市場において、IBISが標準機材としての立場を確立することを目指しています。
未来へのビジョン
リベラウェアは、「誰もが安全な社会を作る」というミッションのもと、ドローン技術を駆使して地下や危険な環境を点検するソリューションを提供しています。今後も、ハードウェアとソフトウェアの両面で改良による成長を目指し、パートナー自治体や事業者との連携を深めていく方針です。
このように、神戸市での調査を皮切りに、下水道管調査の新たなスタンダードが築かれつつあります。全国に広がるこの取り組みが、さらなるインフラの安全性向上に寄与することを願っています。