福岡で海洋エンジニアが語るSDGs授業！鉄鋼業の新たな挑戦

福岡県北九州市では、2025年10月8日に特別な授業が行われました。この授業では、海洋エンジニアである余田昂彌氏が、人工魚礁を通じて海洋環境に関わる重要性を子どもたちに伝えました。これは、本市初の試みであり、共育パレット株式会社が運営するマッチングプラットフォーム「SPOT TEACHER」を通じて実現しました。

授業の背景

この特別授業を求める声は、教員からのものでした。「子どもたちが海の豊かさを守ることに関心を持っているので、その繋がりを持つ専門家の話を聞かせてほしい」との切実な願いがありました。しかし、企業によるSDGsの取り組みに関する授業はなかなか実現せず、情報が見えにくいという課題もありました。これを受け、SPOT TEACHERは鉄鋼業と海洋環境保全に取り組む中山製鋼所に注目し、授業内容を練り上げていきました。

魚礁の重要性

授業では、魚礁がどのように海の中で生態系を支えているのか、またその役割を果たすために鉄鋼業がどのように貢献しているのかが詳しく解説されました。
余田氏は教室に持ち込んだ四つの模型を使いながら、「私たちはこのような魚礁を海に沈め、魚がここで住み、育つ手助けをしています」と説明しました。極めて直感的なアプローチに、子どもたちの興味が一気に引き込まれました。

続いて、水中ドローンによる映像を観ながら、魚礁がいかに生物多様性を高めるかを映像で示しました。「これは魚を捕るためではなく、育てるために設置しているんです」と余田氏が言うと、クラス全体から驚きの声が上がりました。

子どもたちの反応

授業の終わりには、余田氏が「50年後、この魚礁はどうなっていると思いますか？」と問いました。その問いかけに対し、子どもたちの反応は実に鋭く、「壊れる」「サビが来る」といった言葉が返ってきます。これに対し、余田氏は、「はい、確かにそうですが、最終的には鉄も自然の一部になり、海の栄養になるんですよ」と優しく教えてくださいました。この瞬間、子どもたちは自然に対する新たな視点を持つことができたのです。

アンケート結果と感想

授業後のアンケートでは、参加した全ての児童が「おもしろかった」と回答し、82%が将来の仕事について考えたいと感じたと報告されました。97%の児童が日常生活で役立つ知識を得たと答え、この授業がいかに有意義だったかがわかりました。

未来の展望

この授業を通じて、子どもたちはSDGsに対する関心を高めただけでなく、鉄鋼業が環境に配慮した活動を行っていることを理解し、新たな価値観を得ることができました。SPOT TEACHERは今後も学校と企業の架け橋となり、環境問題や持続可能性についてさらに多くの授業を展開していく予定です。子どもたちが未来に向けて持つ学びへの期待が、どのように広がっていくのかが楽しみです。