希少疾患啓発プロジェクトの始動
福岡に本社を構える株式会社レイヤードは、武田薬品工業株式会社と連携し、希少疾患の啓発に取り組むことを発表しました。対象となるのは「遺伝性血管性浮腫(HAE)」、「原発性免疫不全症(PID)」、「ファブリー病」の3つです。この新たなプロジェクトでは、レイヤードが運営するWEB問診プラットフォーム「Symview」を利用して、疾患に関するアンケートを実施する予定です。
医療に対する新しいアプローチ
レイヤードは、医療DXを通じて日本のプライマリ・ケアの向上に貢献することを目指し、患者と医療者の接点をつなぐサービスを提供しています。「医療をもっと、わかりやすく」という理念のもと、患者が自身の症状や状態を理解し、適切な医療にアクセスできるよう支援する取り組みを行っています。このたびの希少疾患啓発活動は、その一環といえるでしょう。
レイヤードのプロジェクトは、大きく2つのアプローチからなります。ひとつは、WEB問診Symviewを使用した患者向けアンケートの実施。もうひとつは、医療機関の待合室に設置されたデジタルサイネージによる情報発信です。この2つの方法により、希少疾患に関する意識を高め、患者の理解を深めることを目的としています。
3つの希少疾患の特徴
遺伝性血管性浮腫(HAE)
HAEは、身体のさまざまな部位で浮腫を引き起こす遺伝性疾患です。発作が起こると、強い痛みを伴い、生活の質を低下させます。特に喉頭に浮腫が起こると窒息のリスクがあるため、早期の診断と Management が求められています。世界では約5万人に1人が罹患しているとされています。
原発性免疫不全症(PID)
PIDは、免疫系の機能不全によって、感染症にかかりやすくなる遺伝性疾患のグループです。480種類以上の異なるタイプがあり、それぞれ異なる症状を示します。PID患者は、通常の人よりも感染症にかかりやすく、回復が遅くなることがあります。
ファブリー病
ファブリー病は、ライソゾーム病の一種で、特定の酵素の機能低下によって不必要な物質が体内に蓄積されることで、様々な体の不調を引き起こします。初期症状として、四肢末端の痛みや発汗障害が見られることが多いです。
未来に向けた継続的な取り組み
レイヤードは、医療現場や患者の声に耳を傾け、見過ごされがちな疾患への理解を深め、必要な医療が全ての人に届く社会の実現を目指しています。今後も希少疾患やその周辺に関する啓発活動を推進し、社会全体の健康を向上させるための取組みに注力していく考えです。
会社概要
株式会社レイヤードは、医療機関、医師会、自治体向けに医療DXソリューションを提供し、日本のプライマリ・ケアの強化に向けた取り組みを続けています。様々なプロダクトを通じて、生活者と医療者のより良い接点作りを支援しています。福岡市博多区博多駅中央街に本社を構え、1998年から事業を展開し続けています。
参考文献
1. Longhurst, H. J., & Bork, K. (2019). Hereditary angioedema: an update on causes, manifestations and treatment. British Journal of Hospital Medicine, 80(7), 391-398.
2. Maurer, M., et al. (2022). The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema—The 2021 revision and update. Allergy, 77(7), 1961–1990.
3. Tangye et al., Human inborn errors of immunity: 2022 update on the classification from the international union of immunological societies expert committee. J Clin Immunol. 2022 Oct;42(7):1473-1507.
4. 難病情報センター
5. ファブリー病診療ガイドライン2020