宮崎県で進む!先端技術を使った省力化稲作の未来
日本の農業界において、特に米作りの喫緊の課題である生産量の維持と効率化を図るため、先端技術を活用した新しい取り組みが始まります。2025年6月から2026年3月に実施されるこのプロジェクトは、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)、株式会社テムザック、株式会社パルシベイト、株式会社コヤワタオフィスと宮崎県延岡市が連携し、最先端の農業ロボットやAI技術、無線通信を用いて、条件不利農地での省力化稲作支援を試みるものです。
背景と課題
近年、米価の高騰が農業従事者にとっての重大な関心事となっています。しかし、農業従事者の高齢化や人手不足という深刻な問題が農業の持続性を脅かしています。米の生産を確保する一方で、農地や農家の大規模化を進める必要がありますが、小規模・変形農地はこの流れに適応しにくいのが現実です。特に中山間地域では、条件不利農地が多く存在し、機械化や自動化の導入が難しいため、耕作放棄が進んでいるのが実情です。
このような背景を受け、本プロジェクトは条件不利農地を対象にした新しい稲作支援サービスを開発し、実証実験を通じてその効果を証明しようとしています。具体的には、先進的な無線技術を駆使することで、農業ロボットの運用を遠隔で行える環境を整備し、地域の農業を支えます。
実証実験の内容
プロジェクトでは、小型の農業ロボットを使用し、衛星通信のStarlinkやWi-Fi HaLowTMを活用して、ロボットの運用状況を現場から遠隔で監視する環境を整えます。AI技術により、ロボットがタスクをきちんと遂行できるか、および周囲の状況を安全に把握できるのかを検証します。このロボットが行うことのできる作業は多岐にわたり、手作業に頼らずとも効率的に稲作が行える環境を目指します。
また、地元の住民やその他の市民と連携し、作業マッチングを行い、人手不足の解消を目指します。これにより、省力化とともに、再生二期作や陸稲など新しい栽培方法を導入するために必要なデータを収集し、条件不利農地でも安定した収穫が確保できる仕組みを整えます。
目指す未来
この実証実験を通じて、条件不利農地における稲作支援サービスの具体的な方法が確立されることが期待されています。中山間地域における持続可能な農業モデルの構築は、地方の活性化にも貢献すると同時に、耕作放棄地の拡大を抑制し、未来の稲作の在り方を変える可能性を秘めています。
農業の未来を担うこのプロジェクトは、日本全体の農業モデルへの波及効果も考えられ、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。今後の成果に大いに期待しましょう。