マリンバースの挑戦
2025-12-01 15:31:26

新たな海の資源を守る-マリンバースが実現したブリの人工種苗の取り組み

新たな海の資源を守る取り組み



日本の食卓を支える魚、ブリの人工種苗を開発した株式会社マリンバースが今夏、高水温を乗り越えて良好な成育を報告しました。この取り組みは、株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)と株式会社拓洋の共同出資によるもので、2025年6月から養殖事業者向けにブリの人工種苗を販売する予定です。これにより、天然資源に頼らない持続可能な水産資源の確保を目指します。

背景と目的



ブリは、日本国内での養殖が盛んに行われている魚の一つ。しかし、その種苗は天然に依存することが主流であり、養殖の発展において大きな課題となっています。特に、ブリの産卵期が春から初夏にかけてに限られていて、その供給は環境条件に左右されやすいのです。また、近年の地球温暖化が進行するなか、海洋環境の変化により天然種苗の漁獲量が変動し、育成の難しさが増しています。

このような背景から、マリンバースでは安定的にブリを調達するために完全養殖の実現を目指して研究をスタートしました。その結果、2024年には人工種苗の生産テストに成功し、2025年には初の販売を開始することができました。特に、7月から9月にかけての高水温期を無事乗り越え、成育状況が良好であるとの報告は、栄養価の高いブリを安定して供給するための一歩となります。

安全でおいしいブリ



マリンバースでは、養殖環境や飼料を厳格に管理することで、ブリの味や脂の乗りをコントロールし、お客様に高品質な水産物を提供します。近い将来には、養殖されたブリが成魚となり、再び採卵・孵化を経て次世代の種苗を育てる、新しい循環型養殖のスタイルを構築していきます。

マリンバースの概要



マリンバースは、2022年4月に設立され、スシローを運営するF&LCと、マダイやクロマグロの養殖技術を持つ拓洋が協力し合っています。持続可能な水産資源を実現するため、種苗や飼料の提供を行いながら、環境への配慮を大切にした取り組みを進めています。

事業の進捗と展望



これまでのマリンバースの取り組みを振り返ると、2022年には早速マダイの人工種苗や飼料の販売を開始し、その後も様々な研究を重ねてきました。最近の成果としては、広島大学との共同研究を通じたブリ人工種苗のDNA解析があり、これにより今後の養殖技術の向上が期待されています。

未来へ向けて



マリンバースは今回のブリ人工種苗の販売を皮切りに、持続可能な水産物の確保に向けた更なる活動を展開していく予定です。この愛らしい魚が市場に登場する日を楽しみにしていきたいですね。そして、消費者の皆さんもこの取り組みに注目し、共に美味しい食材を楽しむ未来を共創していければと思います。持続可能な海の資源を守る為、マリンバースの挑戦はこれからも続きます。


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